「井端ジャパン、MLB組が出られないと勝てない」WBC元投手コーチが警鐘…ドジャース大谷翔平も含めた「優勝に必要な“7人のメジャー投手”」 

　一方で、それは侍ジャパンの投手陣のレベルが、アジアの中で頭一つも二つも抜け出していることの裏返しでもある。その“最強投手陣”を、WBCという短期決戦でどう編成していくのか。武田氏は、王貞治監督率いるチームで、投手コーチを務めた2006年の第1回大会の経験を基に、韓国戦を見ながら選手選考のシミュレーションをしていたという。

「メジャー組が出られないと勝てない」

「WBCは球数制限があるので、先発投手2人体制にし、3つのセットで考えるのが基本になる。オレらがやった時は、頭を上原浩治、松坂大輔、渡辺俊介で固定しそのあとの第2先発を清水直行、和田毅、杉内俊哉と決めてセットを組んで試合を作っていった。6回ぐらいまでをその2人で乗り切って、あとはリリーフのスペシャリストに繋いでいくというのが理想形だ」

2006年第1回のWBC。投手コーチとして王貞治監督を支えた武田氏（写真左）　©AFLO

　大会のレギュレーション上、一人の投手が7回、8回と長いイニングを投げることは難しい。だからこそ、先発の軸となる投手を最低でも6人揃えることが、世界一への絶対条件となる。

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　その上で武田氏はこう言うのだ。

「もし、日本人メジャー組の多くが参加できないとしたら……日本の勝ち目はない」

「必要なピッチャー」7人のメジャー組

　武田氏が「必要な投手」として名前を挙げるメジャーリーガーの投手は7人。大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、菊池雄星、今永昇太、松井裕樹、そして千賀滉大だ。

「この7人が揃えば、盤石じゃないか。まず先発の3つの柱は、大谷、山本、佐々木の3人で決まり。彼らを軸に、第2先発として今永、千賀、菊池を組み合わせる。これだけで6人の強力な先発セットが完成する」

WBC参加を表明した大谷翔平。11月25日（日本時間26日）に合同取材に応じた　©JIJI PRESS

　まさに、日本の顔。この6人がいるだけで、試合の序盤から中盤にかけて、アメリカやドミニカ共和国の強力打線を沈黙させられるだろう。

「そうなると、国内から選ぶ投手はほとんどがリリーフのスペシャリストになる。WBCの投手枠は15人だから、リリーフの松井を加えたメジャー組が7人入ると、残りは8人。その中で、どういう性格の投手を加えるかが重要になってくる」

　武田氏が特にキーマンとして名前を挙げたのが、日本ハムの伊藤大海だ。

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