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「絶対に浮き沈みある」開幕ダッシュも連敗…VC長野は“SVリーグの序列”を変えるのか? 地元出身レジェンド×若手の融合、問われる「全員バレー」の真価
posted2025/11/28 11:04
44歳松本慶彦(中央)の加入で話題を集めたVC長野トライデンツ
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市川忍Shinobu Ichikawa
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SV.LEAGUE
「相手は古巣でもありますし、こちらのホーム(長野)で迎え撃つという形。絶対に勝ちたいとは思っていました。去年、1回もブレイザーズさんに勝てていないので、それもあって、いろいろな思いが僕の中で重なって……。何が何でも勝ちたいという思いで戦いました」
開幕戦で日本製鉄堺ブレイザーズに勝利したあと、松本慶彦は記者会見で安堵の表情を浮かべた。
松本は1981年生まれの44歳。2024年2月にはVリーグ(現SVリーグ)通算出場試合数記録にて前人未到の500試合を達成したレジェンドプレーヤーである。2024-2025シーズンの終了後、17シーズン在籍した日鉄堺を退団し地元・長野県をホームとするVC長野トライデンツへの移籍を発表した。コーチ専任を打診した日鉄堺に対し、現役にこだわる松本が移籍の決断を下したかたちだ。
44歳レジェンド加入の効果
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日鉄堺の北島武監督は語る。北島は松本より1歳年下で、2012-2013シーズンには松本とともに日鉄堺(当時は堺)をリーグ優勝に導いたV戦士だ。
「松本さんが試合に出るとコート内の全選手のムードが上がる。加えてプレーも依然、クレバーでもちろん戦力となっていました。今日は抑えることが難しかったですね。ブレイザーズ時代もそうでしたが、それは松本さんが試合に向けての準備を怠らないからこそのプレー。試合に出る出ないに関わらず、常に万全の準備していた姿をずっと見ていましたから」
VC長野の川村慎二監督(47歳)は語る。
「松本選手には『来るからには(試合で)使いますよ』と言いました。もちろん、いち戦力として獲得しているわけですから当然です。松本選手が試合に出ることによって、他のミドルブロッカーが成長すると思っていますし、プレーも含めてチームを牽引してくれることを松本選手には期待しています。レギュラーラウンドは週末に2連戦を戦いますが、松本選手には『とにかく1日でいいから、明日の事は考えなくていいから頑張ってくれ』と言っています」

