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「目が合った瞬間、全力で跳ぶしかない」エバデダン ラリーが語る“天才セッター”ブリザールの衝撃「僕のバレー人生で一番、打たされている」
posted2025/12/01 17:00
人気動画シリーズ「Numberバレーボールナイト」好調を維持する大阪ブルテオンのミドルブロッカー・エバデダン ラリーが登場
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藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph by
BUNGEISHUNJU / OSAKA BLUTEON
フランス代表・ブリザールのすごさとは?
福澤 SVリーグ新シーズン、大阪ブルテオンは順調に勝ち星を重ねていますが、個人的にはどのような感触ですか。
ラリー 僕自身にとっては、まずセッターが変わったことが非常に大きいです。今のところ、アントワーヌ・ブリザール選手(フランス代表)のトス回しは、誰が見てもトリッキーで、ピンポイントに上げてきます。今のところそれについていくのが精一杯です。
福澤 今シーズンの大阪ブルテオンといえば、ブリザール選手ですもんね。解説者としても、「すごいトスだな」と思って見ています。合わせる側として、何がすごいんですか。
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ラリー 何がすごいかと言うと、セットアップの前に、毎回目が合うんですよ。「お前に上げるぞ」という匂わせだと僕は捉えています。ミドルブロッカーって、打つ時と打たない時があるんですけど、目が合ったら毎回全力で入らざるを得ない。サボることができないんです。
福澤 今までサボってたような言い方ですけど、大丈夫ですか?
ラリー あははは、そういうわけではないんですけど。お前のことを見てるぞ、という雰囲気がすごいです。
福澤 これまで様々なセッターと合わせてきたと思いますが、ブリザールはどこからでも上げてきそうな雰囲気なんですか。
ラリー その通りです。外から見ている皆さんには目線までは見えないと思いますが、彼はミドルのことをずっと見ながら、上げる先はノールックなんです。ボール見てなくて大丈夫なの?と思うくらい。僕のこれまでのバレー人生で一番、打たされているという感覚が強いです。
福澤 それはうらやましいな。私も、パリ・バレーにいた時に、練習でブリザールと一緒になったことが一度だけあるんです。その時もやっぱり、ボールを見ずに周りをずっと見ているんです。視野がどうなっているんだろうと思います。ずっと俯瞰で見ている感じですよね。
ラリー ボールはほとんど見てないんじゃないですか。もちろん見えているんでしょうけど、彼にはそれ以外に大事なことがある気がします。
ちょっとのズレも許さないメンタル
福澤 パスの質はどうなんですか。
ラリー 言わずもがなです。
福澤 打ちやすいですか?


