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核心にシュートを!BACK NUMBER
「自由に動けるのは2トップかなと」日本代表FW上田綺世の得点力を最大化するのは…じつは“シャドー町野修斗”の特異性「9.5番」なのでは
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAsami Enomoto
posted2025/11/24 19:20
ボリビア戦、シャドーでゴールを奪った町野修斗。1トップの上田綺世の得点力を生かせる可能性も秘めているか
ただ、2トップだったら、FWとしての仕事を2人で一緒になってできるので。自分が(ボールの)遠くにいれば、片割れがサポートをする。そこに(相手が)食いつけば、自分が裏に抜けたり……。FWがしたい動きを、片方の選手は必ずできるので。そういった点で、自由に動けるのは2トップかなと思います。もちろん、戦術的なところで、2トップの時には(別の部分で)負担がかかるところもあるとは思うんですけどね」
とはいえ、最近の代表は3-4-2-1の布陣で固定しているため、形を変えて2トップを採用する可能性は低い。日本代表候補の顔ぶれを見ると、2シャドー候補の方が、1トップ候補よりも多いことも、そうした状況に拍車をかける。
そんなときに唯一無二の存在になるのが町野である。
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昨シーズン、キールに所属した町野はシーズン2桁ゴール(11得点)に達したが、大半の試合で2シャドーの一角でプレーした。10月末にはボルシアMGで初ゴールを決めたが、そのときも2トップと3トップの中間のようなフォーメーションが採用されており、町野のポジションは「シャドー」と呼べるものだった。
何より、本人が自分の最適なポジションを「9.5番」と表現している。「トップ下」と「センターフォワード」の中間のようなポジションにいるとき、もっとも心地よくプレーできる場所だと捉えていいだろう。
ボルシアMGでも早速ゴールを挙げている
そんな町野がシャドーの一角に入れば、布陣を変更しなくても、上田の特長の一つである得点力を引き出しやすい。さらに町野が最も輝く可能性がある。
正直なところ、ガーナ、ボリビアとは地力の差があった。ガーナ代表はクドゥスらの主力が不在で、大きく時差のあるアジアへの移動に慣れていなかったため、コンディションは万全とは言い難かった。ボリビアはW杯出場をかけた大陸間プレーオフを勝ち上がれる力のあるチームだったが、伸びしろのある若いチームであるかわりに、選手層の厚さで日本とは大きく差があった。
そんな中で町野が示した存在感は、大きな収穫の一つだった。
代表戦終了後、戻ったボルシアMGでも早速ゴールを決め、代表戦を含めた直近5試合で4得点の固め打ちをしている。蝶のように舞い、蜂のように刺して、ドヤ顔で忍者ポーズを決める町野が、日本代表のW杯優勝へのラストピースとして「バタフライエフェクト」を起こしたとしても、決して驚かない。<つづきは下の【関連記事】第1回へ>


