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ドジャース佐々木朗希の「不調・故障→復活」はなぜ起きた? 改めて半年間の変化を“フォーム解析”第一人者が見る「カギは足の高さ、胸番号、お尻」
text by

赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph byYukihito Taguchi
posted2025/11/27 11:00
佐々木朗希のシーズンのアップダウンを、投球フォームという面から第一人者に解説してもらった。左が4月、右が10月のフォームだが……
「日程的な違いは日本と結構違うと思うので、移動もそうですし、試合以外のところも難しさは感じて、試合の中では自分のパフォーマンスが出せない中で春先が終わってしまった」(2025年10月5日、日テレNEWS)
様々な理由が重なり、本来のフォームを崩したことが右肩に負担をかけ、インピンジメント症候群につながったのだ。この時、佐々木の「肩の中」で起こっていたことを、川村教授が解説する。
肩の中で筋肉がぶつかり合っていた
「インピンジメント症候群は、肩の運動時に腱や軟部組織が骨と骨の間で挟まれて衝突し、炎症・痛みを生じる状態です。肩の中にはインナーと呼ばれる4つの筋肉があって、たくさん投球しているとここが劣化したり、緩んだりする。すると、肩の中で筋肉がぶつかり合い、痛みが生じて、腱板が摩耗していくんですよ。
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佐々木くんの肩のどことどことがぶつかっていたのかは、個人差もあるのでわかりません。ただ、いい投手はもともと、肩の可動域が広くて、この部分は緩いんです。
私の推測ですが、佐々木くんの場合、制球難に苦しんでいたこの時期、無理矢理コントロールしようとして無駄な力を使ったんじゃないか。例えば上に抜ける球を抑えようとして、いつもより腕をちょっと高く上げようとか、あるいは速く上げてみたりとかしているうちに、もともとの肩の緩さと相俟って、肩の中のどこかとどこかがぶつかったんだろうと考えられます。
肩が痛くなると腕を振るのが怖くなるから、序盤の不振はやはりその影響もあったでしょうね。ただ、症状が軽かったら、一定期間リハビリとトレーニングを積めば必ず復帰できますよ。佐々木くんも深刻な状態ではなかったようです」
それでは、このシーズン序盤と、復帰してからの終盤では、具体的に投球フォームのどこにどのような違いがあるのだろう。


