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ドジャース佐々木朗希は「今のままでは来季10勝しても10敗する」高校から知る動作解析研究者の指摘と期待「大谷翔平になくて佐々木にあるもの」とは
posted2025/11/27 11:01
来季は先発復帰が見込まれる佐々木朗希。ローテーションを守り、さらにその先の成長まで、佐々木を高校時代から知る動作解析の第一人者が語った
text by

赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph by
Nanae Suzuki
筑波大学体育系教授兼硬式野球部監督、コーチング学博士で動作分析の第一人者でもある川村卓氏(55)は大船渡高校時代から佐々木に注目し、直接指導した経験を持つ。その川村教授が、投球フォームの分解写真を手に、佐々木の課題と将来性を余すところなく解き明かした。〈全2回の2回目/はじめから〉
5月に右肩の故障でメジャーから離脱した佐々木は、3カ月後の8月から傘下マイナー3Aオクラホマシティーでリハビリ登板を開始する。最初の4登板は復活の兆しが見られず、球速も150km台にとどまっていたが、ここから徐々に復調。続く4登板では160km台の真っ直ぐを取り戻し、9月にメジャー復帰の切符をつかんだ。
佐々木本来のピッチングが復活した一番の原因は何だったのか。本人は、当時の試行錯誤の一端をこう明かしている。
「マイナーでリハビリをしている時、ピッチングコーチと投球フォームに関してどこが問題かっていうところの話を聞いて。自分の中でうまくいってないところと一致する部分があったので。そこでお互いに問題というか、悪くなってる要因のところは一緒だっていう確認ができました」(2025年10月9日、日刊スポーツ)
フォームの再確認を行えたはず
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そんな佐々木の心中を、川村教授はこう推察する。
「たぶん、佐々木くんはマイナーに行ってから、自分がよかった頃のフォームの映像を見直したはずです。そこで、今の自分には何が足りないのかということを再認識したと思う。
投手はしばしば悪循環に陥ることがあって、佐々木くんのようにコントロールを気にした投げ方が一度身についてしまうと、自分の力を100%出そうとしても出せなくなって、それを改善しようにもなかなか改善できない。ましてやメジャーで先発ローテに入ると、すぐに次の登板機会がやってきて、そのたびに結果を求められますから、修正する機会や時間を確保することが難しい。
しかし、マイナーでは自分のフォームや投球をじっくりと再確認することができる。そこで、今までと何が違うんだと佐々木くんが考えた時、投球動作の最初にしっかり足を上げる、というところに行き着いたんじゃないかな」

