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「次戦で引退」武尊34歳がついに宣言…広がっていた“限界説”は妥当だったのか? 現地で見た獰猛なKO、明かした本音「身体が壊れてもいい」

posted2025/11/23 17:00

 
「次戦で引退」武尊34歳がついに宣言…広がっていた“限界説”は妥当だったのか? 現地で見た獰猛なKO、明かした本音「身体が壊れてもいい」<Number Web> photograph by ONE Championship

ピューリックに勝利し、「次戦で引退」を表明した武尊

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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ONE Championship

 くるべき時がきた。

 武尊の「次戦で引退」表明を聞いて、率直にそう思った。まだできるとかもっと試合が見たいとか、そう簡単に言える選手ではないのだ。

 11月16日のONE Championship日本大会(有明アリーナ)。武尊はデニス・ピューリックに2ラウンドKO勝ちを収めた。試合後の勝利者インタビューで、武尊は次の試合で引退することを明かす。対戦相手には、会場に来ていたタイのロッタン・ジットムアンノンを希望している。

屈辱的な敗戦を乗り越えて

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 ロッタンには3月にKO負けを喫した。だから最後にロッタンに勝って選手生活を終わりたいという気持ちは、十分に理解できるものだ。

 キックボクシング時代の那須川天心を最も苦しめたのがロッタンだった(延長戦で僅差の判定負け)。那須川との“世紀の一戦”で敗れた武尊としては、那須川が苦戦したロッタンと闘いKO勝利という結果を残したかった。そのためにロッタンのいるONEと契約したのだ。

 もちろん格闘技に“三段論法”はないから、それで那須川を上回ったことにはならない。ただ自分の中で何かしらの納得を得ることはできる。K-1を離れての第一戦を終えた後、武尊はそう言っていた。

 だが、念願のロッタン戦は初回KOという屈辱的な敗戦になった。同じジムの野杁正明によれば、武尊は怪我で万全の状態ではなかったという。本人はそのことに触れなかったが「納得のいくコンディションでもう一度」と思っても不思議ではない。

那須川戦から“計3敗”を喫したが…

 K-1時代から「負けたら引退」と心に決めてきた。那須川戦からONEでのスーパーレック戦、ロッタン戦と3敗を喫したが、そうなってみると負けっぱなしでは終われないと、むしろ火がつく自分がいた。

「僕は2連敗はしたことがない。今回、連敗したら終わりだなと。負けたら今日でやめようと思ってました。でもロッタン選手とやるという目標があったので。そのためだけに死に物狂いで生き残った感じです」

 試合後の会見で、武尊はそう語っている。引退については、ロッタン戦の時から「試合もですけどコンディションだったり、全部含めてそろそろかなというのは考えていて」と言う。

【次ページ】 武尊の“限界説”は妥当だったのか?

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