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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「ユースに上がれず、高校でプロのオファーなし」代表DF“新主力”渡辺剛の七転び八起き人生「壁は乗り越えるもの」「W杯にもプレッシャーなし」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/11/23 11:41
ついに代表に定着しつつある渡辺剛だが、これまでのサッカー人生は平坦ではなかった。壁を一つ一つクリアしてきたその哲学とは?
「中学から高校に入るときに身長が一気に伸びたんです。それで(吉永一明)監督からやってみないかと。センターバックは身長の高い人がやった方が強いというのはわかっていたから、最初は『いけるのかな』と思いました。どうプレーすべきか全くわからないし、手探り状態でしたが、ヘディングで競り勝ったり、良い守備ができたときに楽しさを感じました。そこでヘディングを自分の武器にしようと思って、練習はものすごくやりました」
今では渡辺の代名詞の一つである空中戦の強さも、高校時代から磨いてきたものだ。回り道のように見えて、その場所で手にできる全てを力に変えてきた渡辺らしい。センターバックになり、3年時に出場した高校選手権では優秀選手の一人に選ばれるほどに成長した。
大学を経てJリーグのオファーを勝ち取る
しかし高校卒業のタイミングではプロからのオファーがなく、中央大に進むと、1年生のときに関東大学リーグ1部から2部に降格。2年のときは2部で5位となり復帰は叶わず、3年では2位以内という昇格ラインにあと一歩の3位で涙をのんだ。大学時代も決して順風満帆ではなかったが、最終学年で悲願の1部昇格を果たし、「いつか戻りたかった」FC東京からオファーを勝ち取った。
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「大学時代は、自分の中で色々とトライしていました。プロになることを考えていましたけど、『このままじゃなれない』という時期もありました。その中で、少しずつ他の人にはないものはないかって探していましたね」
FC東京でもルーキーイヤーに頭角を現したのだが、最初は長谷川健太監督にほめられることはなく、厳しい言葉で徹底的に鍛えられた。


