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「ユースに上がれず、高校でプロのオファーなし」代表DF“新主力”渡辺剛の七転び八起き人生「壁は乗り越えるもの」「W杯にもプレッシャーなし」

posted2025/11/23 11:41

 
「ユースに上がれず、高校でプロのオファーなし」代表DF“新主力”渡辺剛の七転び八起き人生「壁は乗り越えるもの」「W杯にもプレッシャーなし」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ついに代表に定着しつつある渡辺剛だが、これまでのサッカー人生は平坦ではなかった。壁を一つ一つクリアしてきたその哲学とは?

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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Kiichi Matsumoto

負傷者が続出する日本代表の守備陣で、新たな中心人物といっていい活躍ぶりを見せているのが、渡辺剛28歳だ。決して常に順風満帆ではなかったと見える、そのサッカー人生とは。〈全2回の2回目/はじめから読む

 振り返れば、壁を一つ一つ乗り越えてきたサッカー人生だった。埼玉県出身で、電車1本で通えるという親の判断によって、小学校4年生のときにFC東京のスクールに通い始めると、そのままプロになるのが渡辺少年の目標になった。しかし、FC東京U-15深川からユースには上がれず、山梨学院大学附属高校(現・山梨学院高校)に進むことになる。

ユースに上がれなかったのも挫折とは捉えなかった

 ただ、本人にとっては挫折ではなかったという。ユースに上がれなかったのは「自分の実力がないから」と理解し、真っ直ぐに現実と向き合った。

「僕はポジティブなタイプなので、試合に出られないときも自分の実力がないからだとちゃんとわかっていたし、そもそも落ち込みながらプレーするより気持ち良くプレーした方が良いプレーができると考えています。

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 常に楽しくやらないと、という気持ちを持っていたからジュニア時代、試合に出られない時期も、ユースに上がれなかったときも前向きでいられた。ユースだけが全てじゃないし、山梨学院という強い高校に入れたのだから、そこで活躍できればその先にきっとチャンスがあるだろうと思っていました」

その壁は「障害」か、「ハードル」か

 プロへの「道が閉ざされた」わけではない。そう信じて、前を向いた。歩みを止めなかったのは渡辺自身のメンタリティーに拠るところが大きい。立ちはだかる壁を障害と感じる選手なのか、乗り越えれば自身の成長につながるハードルと考える選手なのか。渡辺は常に、後者だった。

 ポジティブな思考を持つ人間には、ポジティブな転機が訪れるものなのだろう。渡辺は山梨学院附高時代に、ボランチからセンターバックにコンバートされている。かつて筆者が行なったインタビューの中で、当時をこう振り返っていた。

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