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「(田中)碧もショックかと」日本代表FW上田綺世の知られざる素顔…後藤啓介に「ファンペルシのコツ」伝授、オランダで同僚DF渡辺剛も重要証言 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/11/18 11:05

「(田中)碧もショックかと」日本代表FW上田綺世の知られざる素顔…後藤啓介に「ファンペルシのコツ」伝授、オランダで同僚DF渡辺剛も重要証言<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本代表の最前線の軸となる上田綺世。彼が見せる素顔とは

 従来のストライカー像とは異なる、「考えるフォワード」として新たな像を作り、それをチームに還元しようとしているのかもしれない。

 実は、「考えるフォワード」がチームにポジティブな風をもたらすという現象は、上田の所属するフェイエノールトでは、すでに起きている。監督を務めるファン・ペルシは、今シーズンに入ってから、たびたび、「上田は、渡辺が加入してよく笑うようになった」とか、「上田の変化がチームに幸せを運んでいる」という趣旨の発言をしてきた。

 さすがに“眉唾物”の話だろうと思われたのだが、実は、大袈裟な話ではないという。証言者は、渡辺本人である。

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「彼はフィジカルでサッカーをやっていそうな感じがするかもしれないですけど、頭を使いながらやっているんです。サッカーについて彼が考えているところも多いから、僕としても話していて面白いです。だから、常にずっと一緒にいるんです」

 この証言が飛び出した先月、「ファン・ペルシ監督の話は眉唾物の話ではないということですか?」と渡辺に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「確実に笑顔が増えたみたいです(笑)。『(上田が)楽しそうにしているね』と言うのは、他の選手からも聞くし。そうなったらチームにとってもプラスだから、みんなが嬉しそうですしね。あとは綺世が自信を持ってやることで、チーム全体に勢いがつく。そういうのは、やはり、フォワードの選手にはすごく大事なので。綺世の変化が、今のチームの好調につながっているのかなと僕は本当に思います」

 フェイエノールトで優勝争いをするきっかけを上田が作ったように、彼がもたらす空気が代表のチームメイトに伝播していく。それにより、日本代表でも大きな波やポジティブな空気が生まれる。オランダの名門で起きたことを見ると、そういうものが日本代表に生まれたとしても、何ら、不思議ではないのである。

ボリビア戦は先発大幅入れ替えと予想する理由

 さて、今回のボリビア戦のメンバーは、ガーナ戦から大きく入れ替わるのではないだろうか。それはなぜか。

 11月の代表戦は、ヨーロッパのカップ戦でプレーする選手にとっては疲労がピークの時期に行なわれる。選手たちは、9月から来年1月までリーグ戦と並行して、ヨーロッパのカップ戦と国内カップ戦に臨まないといけない。そして、9月から3カ月連続で、インターナショナルマッチウィークでの長距離移動が組まれる最後のタイミングが11月である。

 だから、ヨーロッパのカップ戦を並行して戦っている選手は、心身ともに負担をかけるわけにいかない。2試合連続での先発が考えられるのは、ガーナ戦のスタメンのなかで最も早くベンチに下がった堂安くらいだろう。

 だから、小川が1トップに入り、所属するボルシアMGでは2トップのうちの引き気味の役割や2シャドーの一角でプレーする町野修斗がシャドーを務めるのではないか。ボランチには遠藤航は確定で、鎌田大地の怪我からの回復具合が不透明であることに加え、彼もヨーロッパカンファレンスリーグに参戦しているため、キャプテンの隣には藤田譲瑠チマが入る可能性が高そうだ。

 ボリビア戦が2025年だけでなく、12月5日に控えるW杯本大会の抽選会前、最後の試合となる。だからこそ、選手たちは勝って終わりたいという想いを口にしているが、果たして、どうなるだろうか。

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