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「(田中)碧もショックかと」日本代表FW上田綺世の知られざる素顔…後藤啓介に「ファンペルシのコツ」伝授、オランダで同僚DF渡辺剛も重要証言
posted2025/11/18 11:05
日本代表の最前線の軸となる上田綺世。彼が見せる素顔とは
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
ガーナの元同僚、田中碧を気遣った
11月14日の日本vsガーナ、不慮の事故のような形で今シーズン絶望となる大怪我を負ったのがアブ・フランシスだった。
ベルギーのセルクル・ブルッヘ在籍時に、もっとも仲の良いチームメイトの一人だった上田綺世はこう話した。
「彼は僕の友達でもあります。彼はチームのピンチのシーンでもそうだし、デンジャラスなところでも勇気を持ってプレーできる選手なので。こういう怪我によって(同じようなプレーをするのが)怖くなると思うんですけど、しっかり治して、また彼の良いところを継続してプレーできたらいいですけど……。そう簡単でもないと思うので、今はしっかり休んで欲しいです」
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不運にも怪我をさせる側に回ってしまった田中碧のことも、上田は思いやった。フランシスが倒れてからしばらくして、怪我の大きさに気づき、サッカーを愛する者としてショックを受けていたのが田中だった。上田はそれを見つけると、田中の元に駆け寄り、丁寧に言葉をかけていった。あの行動の理由について問うと、こんな答えが返ってきた。
「碧も多分、結構ショックだったと思います。不慮の事故というか、不可抗力じゃないですか? 碧が削ったわけではないし、(死角からフランシスの足が出てきたために)どうしようもない。ただ(足を蹴ってしまったときの)感触は残るだろうし……」
上田がそのように話したのは、あの2人だけを特別に想っているからではない。
“FWのライバル”に見える小川とも…
むしろ日本のエースからは、この手のエピソードがごろごろ出てくる。
例えば、同じポジションの小川航基との関係性もそうだ。2人の年齢は小川が1歳上。2019年頃までは小川がいわゆる東京五輪世代のエースとして君臨し、その後、上田がその座をつかんだ形になった。ともすると、彼らの間にはライバル関係を連想してしまいそうになるが、そうではない。むしろ、お互いリスペクトをしあう関係がある。
実際、先月のブラジル戦の試合後にも上田は興味深い言葉を残している。コーナーキックから決勝ゴールを決めた後に、こんな話をしたのだ。

