上田綺世が心を痛めたガーナ戦“不慮の接触”ではなく…田中碧の論点は「派手さを学びたい」「常に絶妙な距離感」佐野海舟との好相性だった

佐野いわく「絶妙な距離感を常に取ってくれる」

　ヨーロッパで活躍するディフェンダーの渡辺剛でさえ、ガーナ戦で、自身の前のポジションで神出鬼没の働きを見せた佐野海舟について、こんな感想を抱いた。

「みなさんが思ったように、『（佐野がピッチ上に）たくさんいるな』って感じました（笑）。色んなとこに顔を出していましたし」

　ガーナ戦のMVPに佐野を推す人は多い。思えば、先月のパラグアイ戦でも、佐野は好プレーを見せて賞賛を浴びた。佐野がまばゆい輝きを放った2試合、その共通点はハッキリしている。

パラグアイ戦　©Kiichi Matsumoto

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　いずれも、田中碧とダブルボランチを組んだ試合だった。

　では、圧巻のパフォーマンスを見せるなかで、田中とコンビを組んだ恩恵を感じていたのだろうか。直接尋ねたところ、佐野は「それは感じています」と口にしてから、こう続けた。

「（田中が）バランスを見てやってくれているので。（相手の）ボールに対して強く行くのが自分の武器。それを出せているのは、良いバランスを取ってくれているからかなと思います」

　世界最高のリーグでプレーする選手が取ってくれるバランスについて、佐野は以下のように説明する。

「守備だけでなく、攻撃でも、です。常にボールの中継役になってくれていますし。良い距離感は自分も意識していますけど……（田中は）絶妙な距離感を常に取ってくれているので」

田中碧が語る“それぞれの強み”

　田中と一緒にピッチに立つとき、絶妙なバランスを取ってくれるという安心感がある。だから、実質的に初めてコンビを組んだ先月のパラグアイ戦から、安心して、攻守両面で良さを出せたというわけだ。

　では、一方の田中はどう考えているのか。

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