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「ドジャースとWS対決」は叶わずも…“メジャー未経験”福田秀平がMLBコーチ1年目で見た景色「俺たちは家族なんだ」ミーティングで震えた24歳の言葉 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph bySankei Shimbun

posted2025/11/14 11:04

「ドジャースとWS対決」は叶わずも…“メジャー未経験”福田秀平がMLBコーチ1年目で見た景色「俺たちは家族なんだ」ミーティングで震えた24歳の言葉<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

今季シアトル・マリナーズの特任コーチを務めた福田秀平(36歳)

――語学のほうは、上達しましたか?

福田 いや、それがまったくです。毎日ちょっとずつ勉強はしてますけども……(笑)。なぜか日によって違うんです。今日は英語がスラスラ出てくるなという日もあれば、調子が悪い日は「グッモーニング」も怪しい。何よりヒヤリングが難しくて。

――ラティーノの選手やドミニカの選手もいると“訛り”も大変そうですね

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福田 でも、中南米の選手は英語が第二言語になるので、“苦しみ”を共有できるというか。わりとゆっくり話してくれる印象があります。

――指導する際に使う言葉も覚えなくてはいけない。

福田 そうですね。なので外野練習を任される日は、事前に伝えることを整理して英語に変換し、それを夜に覚えて、実際に口に出して練習しています。どうしてもわからない時は現場で調べたり翻訳を使うことはありますが、できるだけドリルを説明できる状態にして臨むというか。試行錯誤しながらやっていますね。

驚いたドミニカのアカデミー

――アメリカ生活は慣れましたか? 巡回コーチとあって移動も多かったと思います。

福田 ハイAがあるエバレットはシアトルから北に40分ぐらい。AAAのタコマはシアトルから南に40分ぐらい。ローAのモデストはカリフォルニア州の真ん中ぐらい。ルーキーリーグがアリゾナですね。AAはテキサスのちょっと上ぐらいのアーカンソーにあるので、ここが一番移動が大変でした。あとドミニカにも行きましたね。この経験はすごく大きかったですね。

――ドミニカですか。マリナーズ保有のアカデミー?

福田 MLBすべての球団がドミニカにアカデミーを持ってるので、少なくとも30以上チームがあるんです。ドミニカやコロンビア、ベネズエラといった中南米、それからキューバやメキシコ……の選手たちがそろっていて、まずはこのアカデミーに入ることが彼らの第1ステップ。とんでもない才能がたくさんいますよ。

――何歳ぐらいの選手たちが多いのですか?

福田 10代ですね。17歳とか。そこからルーキーリーグに上がって、ローA、ハイA、AA、AAA、そしてメジャーと、プロスペクトと呼ばれる選手たちはどんどん階段を上っていきます。この厳しい競争があることを実際に目の当たりにできたのはいい経験でした。

――刺激的ですよね。巡回するときは一人移動が多いんですか?

福田 基本、バッグを抱えて一人移動です。こんなに飛行機に乗ることが難しいのかと勉強になってます(笑)。何が起きても良いように必ず2時間前行動してますが、それでもアーカンソーに行った時はフライトが遅れて到着が深夜になりました。レンタカーが終わっていて途方に暮れていたんですが、最終的にUberでタクシー呼びました。

――Uberは本当に頼りになりますね(笑)。食事はどうですか?

【次ページ】 マリナーズの食事は素晴らしい

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