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元ドラ1の36歳ゼロからの挑戦「メジャー経験なし」なぜ福田秀平はMLBマリナーズに雇われたのか? “憧れのイチロー”と過ごした充実のアメリカ生活

posted2025/11/14 11:03

 
元ドラ1の36歳ゼロからの挑戦「メジャー経験なし」なぜ福田秀平はMLBマリナーズに雇われたのか? “憧れのイチロー”と過ごした充実のアメリカ生活<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

来年2月で37歳になる福田秀平。11月14日に開幕した中東・南アジア初のプロ野球リーグ「ベースボール・ユナイテッド」のシーズン1には、プレイヤーとして参戦する

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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Shigeki Yamamoto

今年6月にMLBシアトル・マリナーズの特任コーチに就任した福田秀平(36歳)。2006年ドラフト会議で高校生1巡目としてソフトバンクに入団。以降、国内で一定の成績を収めてきた外野手だが、アメリカでのプレー経験はない。なぜ指導者としてのキャリアをMLBスタートすることができたのか? ワールドシリーズ出場目前まで迫ったコーチ1年目を振り返った《全2回の前編/後編も公開中》

――今年の6月にMLBシアトル・マリナーズのスペシャルアサインメントコーチ兼コンサルタントに就任しました。就任までの経緯を教えてください。

福田 ホークスで13年間、マリーンズで4年間プレーして、最後の1年は(NPBウエスタン・リーグに参画した)くふうハヤテベンチャーズ静岡でお世話になりました。そこでこれまでの常識が当たり前じゃない世界に触れて、いろんな考えをもった選手と出会えて、いろんなことを学びました。今後、野球に携わっていくなら今のままではダメだと思うようになり、もう少し視野を広げて勉強したいと考えるようになったんです。そこで、何とかアメリカ、MLBに行ってみたいと相談して、マネジメントの方々に動いてもらいました。まずは「研修」という形で3週間弱、マリナーズのスプリングトレーニングに参加しました。

――ご存じの通り、マリナーズにはイチローさん(会長付特別補佐兼インストラクター)がいて、あとはホークス時代の先輩である川崎宗則さんも在籍したチームです。

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福田 日本と馴染みがある球団だったからかどうかはわかりませんが、(スプリングトレーニングから)帰国後にマリナーズ側から提案があると連絡があり、コーチのオファーが届きました。「ぜひ、やらせてください」と返事をして。オファーがあったのは4月の後半ぐらいだったと思います。

――MLBでのプレー経験がない中、指導者として加入することに不安はなかったのでしょうか。イチローさんとは面識は?

福田 (不安は)もちろん、ありました。イチローさんにもお会いしたことはなかったです。ご挨拶の時はもうドキドキで……でもムネさん(川崎宗則)が事前に連絡してくれていて「聞いているよ。よろしくお願いします」と言葉をいただき、震えましたね(笑)。

――シーズン通して、そこでイチローさんと一緒だったわけですよね。

福田 そうですね。T-モバイル(・パーク/マリナーズの本拠地)は選手たちのロッカーとは別のところにコーチルームがあるのですが、イチローさんとはロッカーが向かい同士でした(笑)。僕は様々なカテゴリーを見る巡回コーチでしたので、メジャーに行く度にイチローさんに聞きたいことをたくさん用意して、何回も質問させていただきました。一つ一つに丁寧に受け答えしていただいて、僕にとってはすごく貴重な1年になりましたね。

――イチローさんにはどんな質問をぶつけたんですか?

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