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「ドジャースとWS対決」は叶わずも…“メジャー未経験”福田秀平がMLBコーチ1年目で見た景色「俺たちは家族なんだ」ミーティングで震えた24歳の言葉
posted2025/11/14 11:04
今季シアトル・マリナーズの特任コーチを務めた福田秀平(36歳)
text by

田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Sankei Shimbun
――マリナーズで過ごした今シーズン、勝ち上がっていく現場はどんな感覚でしたか?
福田 すごく嬉しいことですね。チームの一員として、選手がいいプレーしたり、打ったりする喜びはとても大きかったですよ。ベンチの雰囲気やダグアウトでの過ごし方を見れたのは勉強になりました。
――何か印象に残るエピソードはありますか?
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福田 スプリングトレーニングでのことなんですけど、選手のミーティングでフリオ(・ロドリゲス)がすごくいいことを言ったんです。これから1年、戦っていく上で俺たちは家族だ、と。実際の家族よりも過ごす期間はチームメイトのほうが長い。なのでいい時も悪い時もその“挨拶”を大切にしよう。悪かったとしても「See you tomorrow」とか「Have a good night」とか必ず声をかけて、次の日会ったら「Good mornig」「What’s up?』と必ずコミュニケーションを取る。こんな話を24歳のフリオがみんなの前でするんですよ。そこから監督のダン(・ウィルソン)が「俺たちは一つの船に乗ってる。行き先は一緒だ。ぶつかったり、困難なことがあるかもしれないけど、目的地は一緒なんだ。だから、フリオが言う通り、最後まで挨拶を大切にしていこう」と言っていて。僕自身も現役時代から大切にしてきたことでしたから、日本でもアメリカでも変わらないんだなと思いました。
――ワールドシリーズは惜しくも手が届きませんでしたが、ポストシーズンの空気を味わえたことはプラスになりましたね。
福田「タクシープレイヤー」って知ってますか? ロースターにはいるけどベンチには入らない。何か不測の事態の時に加われるようにずっと準備をしている選手たちです。僕は彼らの拠点となったアリゾナに帯同してトレーニングしていました。
――いつコールアップされるかわからない、緊張感ある場所ですね。「タクシープレイヤー」と呼ぶのは知らなかったです。
福田 僕もこっちに来てから初めて知りました(笑)。連日、選手たちと一喜一憂しながら試合を観ていました。

