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「ドジャースとWS対決」は叶わずも…“メジャー未経験”福田秀平がMLBコーチ1年目で見た景色「俺たちは家族なんだ」ミーティングで震えた24歳の言葉
text by

田中大貴Daiki Tanaka
photograph bySankei Shimbun
posted2025/11/14 11:04
今季シアトル・マリナーズの特任コーチを務めた福田秀平(36歳)
――レギュラーシーズンでは日本人選手とも交流があったと思います。ロッテでチームメイトだった佐々木朗希投手ともお話しされてましたね。
福田 「まさかこんなところで会うなんて」みたいな。朗希は当たり前かもしれませんが、僕がメジャーのグラウンドにいるってことがね(笑)。そんな話をしながら。
――ポストシーズンの活躍、起用法は驚きの連続でした。
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福田 復帰の前に調整登板していたのがマリナーズのAAAの拠点であるタコマでした。その時はそこまで球速が出てなくて少し心配してたんですけど、メジャーに上がってからマリナーズ打線への投げっぷり(現地9月26日)を見て“もう戻ったな”という印象は受けました。「AAAの時よりだいぶよくなっているね。安心した」と言葉をかけました。笑顔も交えながら、久しぶりに良い会話ができましたね。
大谷翔平と山本由伸から打ったホームラン
――報道でも話題になりましたが、福田さんは山本由伸投手からも大谷翔平選手からもホームランを打っているバッターです。その効果は現地でも絶大ですか?
福田 みんな知ってます。行くところで必ず映像を見せてくれと言われますね。「こないだ見ただろ!」という選手もいるんですけど、それでも見せてくれ、と。AAAやAAでは必ず言われます。
――どんなリアクションですか?
福田 僕はそんな意識してないのですが、(打った後の)バットフリップをめちゃめちゃ突っ込まれます(笑)。
――それだけ山本投手と大谷選手がすごい評価を受けているということですね。
福田 かなり評価は高いです。まさに、トッププレイヤー。そこは日本国内での評価と差はないと思いますね。特に大谷選手に限っては二刀流をすること自体、前例のないことなので「crazy」とよく言われてます。山本投手も、みんな当たり前のように名前を挙げますし、今回のワールドシリーズでさらに評価が上がるでしょうね(※取材はWS第7戦、クローザー登板の前)。
そういえば、ドジャース戦の朝、その日はたまたまメジャーに帯同していたんですが、ビデオ(=アナリスト)から「大谷と山本から打ったホームランの映像をくれ」と連絡があって、コーチングミーティングで流されたんです。ヒッティングミーティングでは選手の前に出されました。さすがに恥ずかしかったですが、キャッチャーのミッチ・ガーバーが「ホームランを打たれたピッチャーは一生忘れないよ」と言葉をかけてくれて、改めて本当にすごい2人から打ったんだなというのは思いますね。



