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大谷翔平「50-50の昨季より盗塁大幅減」「シュワーバー相手に無冠」でも4度目MVP+最強DH賞が確定的…“二刀流の合わせ技”は今後どうなる
posted2025/11/10 17:53
自身4度目のシルバースラッガー賞に輝いた大谷翔平。MVPもほぼ確定的と言える根拠とは
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
熱戦が続いた「野球の季節」が終わり、日米の野球界は「Awardの季節」を経て「ストーブリーグ」に突入しようとしている。
イチロー越えのシルバースラッガー賞4回
MLBでは連日、各賞の発表が続いているが、現地時間11月6日にはナショナル・リーグの「シルバースラッガー賞」が発表され、DH部門では大谷翔平が自身4度目、ナ・リーグでは2年連続となる受賞を果たした。
シルバースラッガー賞は、一言で言えば「打撃に絞ったベストナイン」だ。各ポジション別の最強打者が選出される。ナ・リーグのDH部門はユニバーサルDHになった22年以来4回目、それ以前は「投手のシルバースラッガー賞」もあった。
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MVPやサイ・ヤング賞に比べればインパクトこそ薄いが、シルバースラッガー賞は、なかなか取れない賞だ。
イチローは外野手部門で2001年、07年、09年と3回受賞しているが、松井秀喜はMLBで30本塁打、100打点を記録したシーズンもあるが受賞なし。規定打席に何度も乗った青木宣親やオールスター戦に出場した福留孝介も選ばれなかった。
シルバースラッガー賞は、MVPやサイ・ヤング賞と同様、純粋にレギュラーシーズンだけの成績で選ばれる。選考するのは各球団の監督、コーチ。投票はポストシーズンが始まる前に終わっている。
“意外と突出していない”今季の打者・大谷
今季も大谷は素晴らしい成績を残したが、昨年のように突出したものとは言えなかった。
ナ・リーグでDHのシルバースラッガーのファイナリストになったのは3人。WAR(Wins Above Replacement)はセイバーメトリクス系の総合指標。同じポジションの平均的な選手と比較しての傑出度を表している。代表的なデータサイト「Baseball Reference(rWAR)」と「Fangraphs(fWAR)」が発表している。
大谷翔平(ドジャース)31歳
rWAR6.6 fWAR7.5
158試(DH158試)611打172安
55本102点20盗 率.282 OPS1.014
シュワーバー(フィリーズ)32歳
rWAR4.7 fWAR4.9
162試(DH154試)604打145安
56本132点10盗 率.240 OPS.928
イエリッチ(ブルワーズ)33歳
rWAR3.1 fWAR2.4
150試(DH131試)573打151安
29本103点16盗 率.264 OPS.795
惜しくも最終候補から漏れたが、鈴木誠也の成績も紹介しておく。

