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「延長18回死闘でスイカを」MLBブルージェイズで愛された日本人栄養士が明かすWSウラ話…ガウスマンが最後にくれた言葉「みんな君が大好きだよ」

posted2025/11/10 11:46

 
「延長18回死闘でスイカを」MLBブルージェイズで愛された日本人栄養士が明かすWSウラ話…ガウスマンが最後にくれた言葉「みんな君が大好きだよ」<Number Web> photograph by Daisuke Sugiura

ブルージェイズで管理栄養士を務めた讃井友香さん。これまでの経歴やワールドシリーズを戦った選手たちとの秘話を明かした

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Daisuke Sugiura

ワールドシリーズ制覇にあと一歩まで迫ったトロント・ブルージェイズで管理栄養士を務めた讃井(さぬい)友香さん。地区最下位だったチームはどう躍進を遂げたのか。延長18回までもつれた第3戦など、激闘の舞台裏を聞いた。【NumberWebインタビュー全2回の後編/前編から続く】

試合中にスイカとパイナップル

 激闘が続いたワールドシリーズの最中、ブルージェイズの管理栄養士を務める讃井友香さんは思わぬ形で脚光を浴びることになった。

 延長18回にもつれ込む大接戦となった第3戦。果てしなく続くように思えた戦いの中で、ブルージェイズのダグアウトにフルーツ盛り合わせが用意され、それが米国内でシリーズを中継したFOXのテレビカメラにも捉えられた。ウラディミール・ゲレーロのような主力選手もお皿に手を伸ばしたシーンは死闘を象徴する光景。同時にどこかユーモラスで、一服の清涼剤のように感じられたのだった。

 試合後、「Uber Eatsのおかげだよ。ユカがすごい仕事をしてくれた」とジョン・シュナイダー監督はフルーツを用意した讃井さんを名指しで称賛。この件は日本でも大きく取り上げられた。一躍注目を浴びた讃井さんは、「実際はUber Eatsではなかったんです(笑)。クラブハウスのスタッフが毎日果物を用意してくれるので、それをカットして提供してもらいました」と楽しそうに真相を明かしてくれた。

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「選手に出したのはスイカとパイナップルです。スイカは水分補給と糖分補給に最適ですし、冷たいので食べやすい。パイナップルも水分が多く、ブロメラインというリカバリーにいい成分もあるんです。確か延長15回くらいで出したと思います。多くのメディアで取り上げていただいて、反響の大きさに驚きました。延長戦のときは試合中も試合後もみんなよく食べていたので、次の日(の第4戦で)も出したんですが、あまり食べてくれなくて。やっぱり18回もあるとお腹が空くんですね(笑)」

 当たり前のことをしただけなのに、と戸惑ったような表情も見せた讃井さんだが、その真面目な仕事ぶりと明るいキャラクターがブルージェイズ内で重宝されていたことは容易に見えてくる。

【次ページ】 「子供の食事も用意」日常と違ったポストシーズン

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