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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
ドジャース連覇のウラで…最悪の事態「2年後のメジャーリーグ中止の可能性」なぜ高まった? 現地報道まとめ…大谷翔平、山本由伸ら大補強に“賛否の声”
posted2025/11/07 11:03
なぜドジャース連覇で「2年後のメジャーが中止危機」なのか?
text by

水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
「野球をぶっ壊そう!」
ドジャースがリーグ優勝決定シリーズでブルワーズをストレートで下しワールドシリーズ進出を決めたとき、デーブ・ロバーツ監督は選手とファンの前でそう叫んだ。
「シーズンが始まるとき、ドジャースは野球を壊していると言われた。あと4つ勝って、本当に野球をぶっ壊そう!」
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気勢を上げるロバーツ監督に、その場は盛り上がった。
米で話題「ドジャースは野球界の悪か?」
そしてワールドシリーズでブルージェイズと死闘を繰り広げ、先に王手をかけられながらも「あと4つ」を有言実行。MLBではヤンキースが2000年に3連覇して以来、実に25年ぶりの連覇だった。それ以前、連覇は珍しいことではなかったが、近年はMLBが戦力均衡のためにぜいたく税などのルールを導入、強化し、昨季までの10年間では8球団がワールドシリーズを制するなど、多くの球団にチャンスが回っていた。
その均衡を、圧倒的な資金力でトップクラスの選手を集めスター軍団を構築した「西の帝国」が遂に崩した。
「ドジャースは、野球界の悪なのか?」
ワールドシリーズが終わると同時に、米国ではそんな議論が噴出した。
多くのメディアや野球ファンのコミュニティはどこもその話題一色。スポーツ専門ラジオやポッドキャストではパーソナリティーが悪の帝国と化したドジャースに対して吠えまくる。レッドソックスのファンサイト「トーク・ソックス」の掲示板には「弱小球団はどうやって対抗しろというのか」「今の状況は不公平」などドジャースに対する反発の声が寄せられた。世界的スーパースターの大谷翔平、メジャー屈指のエースとなった山本由伸、鳴り物入りで入団し大きく成長した佐々木朗希の3人がこぞって日本に近い西海岸のドジャースを選んだことから「いつかメジャーが月に球団を拡張したら、優秀な宇宙人選手はみんな、出身惑星に近いという理由で月の球団に入ってしまう」と冗談交じりに不平をつづるファンや「ドジャースは際限なく資金を使い、優秀な日本人選手をすべて奪ってしまう。外国人選手は他のすべての選手と同様にドラフトにかけるべき」と意見するファンもいた。

