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佐々木朗希24歳「それは過信になる」ロバーツ監督大はしゃぎのウラで…本人が繰り返した「大復活を遂げた理由」とは? 現地で見たドジャース連覇の舞台裏
posted2025/11/07 17:03
ワールドシリーズ2連覇を達成し、大谷翔平と抱き合う佐々木朗希
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四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
沿道を埋め尽くした地元ファンの大歓声と笑顔を、少しはにかむような表情を浮かべながらも、全身で受け止めていた。
2025年11月3日。奇しくも24歳の誕生日を迎えたドジャース佐々木朗希は、本拠地ドジャースタジアムに詰めかけた超満員の地元ファンの前で、静かに喜びをかみ締めていた。ステージ上でマイクを握ったベテランのミゲル・ロハスに促され、佐々木の登場曲に合わせてリズムを取り、最後に「Happy Birthday」と祝福されると、やや照れくさそうに笑顔で応じた。決して「終わりよければ……」という心境だけではないだろう。ただ、来季以降へ向け、確かに手応えを感じているかのようだった。
体力強化、フォーム修正も行っていた
メジャー1年目は、まさに山あり、谷あり、だった。
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マイナー契約からのスタートだった3月の日本開幕シリーズでは、山本由伸に続き、第2戦で先発し、メジャーデビューを果たした。その後、先発ローテーションの一角として登板を続け、5月3日には初勝利を挙げた。ところが、同9日の登板後、右肩に違和感を訴えて離脱。「インピンジメント症候群」と診察され、長いリハビリ生活が始まった。
その後は、先が見えない日々が続いた。本来の球速を取り戻すため、体力強化に加え、投球フォームを修正した。8月中旬からは3Aオクラホマシティーでの実戦登板に移行し、5試合に先発した。その一方で、優勝争いの最終局面を迎えていたドジャースは、山本、ブレイク・スネル、タイラー・グラスノーに加え、大谷翔平の完全復活が近づき、佐々木が復調したとしても食い込む余地は、ほぼなくなっていた。

