“開幕35連敗”から改革…SVリーグ群馬を引っ張る“小さなキャプテン”高相みな実「群馬がどこまで上がっていくか期待して」今季すでに4勝 

「今の私ぐらいの年齢やキャリアになれば、悔しい、苦しいと思ってもある程度は抑えてチームのために動かないといけない場面もあるけれど、（自分が）1年目や2年目の頃は悔しければ泣いていたし、何で試合に出られないんだと悔しさを前面に出していた。だから若い選手にはもっと感情を出していいんだよ、と伝えるようにしているし、チームメイトであっても練習ではライバルだから、倒すつもりでぶつからないとチームも強くならない。特に私たちはまだトップに上がって2年目のチームなのだから、もっとハングリー精神を持ってほしいし、私自身も同じ。それがなくなったら、引退する時だと思うんです」

「代表じゃなくてもすごい選手はいる」

　一人の選手として常に成長を目指して努力を重ねるだけでなく、群馬のキャプテンとして「もっとバレーボールを盛り上げたい」と願う。昨季は上位チームとアウェイで対戦する時、観客が少ないと「自分たちのせいじゃないか」と苦しむこともあった。2シーズン目のSVリーグでも、できるだけ多くの人に知ってもらうために何ができるか、日々模索中だ。

「日本代表選手に注目が集まるのは当然ですが、たとえ代表じゃなくてもすごい選手はいっぱいいるし、個性が強い選手もたくさんいる。私ならば“身長が低いアタッカー”であることも個性なので、そういう選手が大きな相手にどう向かっていくかも見てほしいし、14位だった群馬グリーンウイングスがどこまで上がっていけるかも期待してほしいですね」

身長164センチながら最高到達点は驚異の3メートル2センチ　©︎SV.LEAGUE

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　いかなる時も全力で1本を決める。誰もが落ちると思うボールも絶対に上がると信じて諦めない。“日本一”を目指し続ける彼女のプレーを見たら「アスー！」と手を振り続けた少年のように、きっと誰もが心をつかまれるはずだ。

　応援せずにいられない、小さな大エース。それもまた、彼女の個性で称号だ。