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“開幕35連敗”から改革…SVリーグ群馬を引っ張る“小さなキャプテン”高相みな実「群馬がどこまで上がっていくか期待して」今季すでに4勝 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph bySV.LEAGUE

posted2025/11/07 11:02

“開幕35連敗”から改革…SVリーグ群馬を引っ張る“小さなキャプテン”高相みな実「群馬がどこまで上がっていくか期待して」今季すでに4勝<Number Web> photograph by SV.LEAGUE

SVリーグ開幕戦で勝利するなど好スタートを切った群馬グリーンウイングス。高相みな実(左)は今季からキャプテンとしてチームを牽引している

 昨季、SVリーグ発足と同時にトップリーグに昇格した群馬は開幕から35連敗を喫した。初勝利をあげたのはリーグ終盤のクインシーズ刈谷戦(2025年3月16日)で、終わってみれば5勝39敗、リーグ最下位の14位で1年目を終えた。しかし今季は外国籍選手の補強などが実り、開幕戦で勝利をあげるなど8戦を終えた時点で4勝4敗と好スタートを切っている。そんなチームの原動力になっているのが、幼い少年の心までも虜にする高相の存在だ。

 高相の名前が最初に全国に轟いたのは、長野県・都市大塩尻高の2年時に出場した春高バレーだった。準決勝で東九州龍谷高に敗れたものの、高さで上回る相手に果敢に攻め続け、何度ブロックされても、何度ボールを拾われても、トスを呼ぶエースたる姿勢が多くの人たちの心を強く引き付けた。

小さなエースを強くした“反骨心”

 幼少期から水泳やクロスカントリースキーで記録を打ち立ててきたという運動能力の高さは折り紙つき。ただ、バレーボールでキャリアを進める中で「身長が小さいから」という理由でチャンスが与えられないことも少なくなかった。その度に悔しさが高相を強くするために欠かせない要素になったという。

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「高校まではアンダーカテゴリーの合宿にも呼ばれていたんですけど、大学になってからは大きい選手が選ばれることがすごく増えて、実際に『高さがないから選ばなかった』と言われた時は悔しかったです。でも、その時にレシーブなど他の技術で補っていこうという気持ちが芽生えた。(自分の長所である)身体能力や仲間への掛け声の部分を惜しみなくコートで発揮するためにはどうしたらいいのか、勝つために自分が必要だと思われるためにはどうすべきかを具体的に考えるようになりました」

【次ページ】 「日本一の選手になると決めたんです」

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