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“開幕35連敗”から改革…SVリーグ群馬を引っ張る“小さなキャプテン”高相みな実「群馬がどこまで上がっていくか期待して」今季すでに4勝
posted2025/11/07 11:02
SVリーグ開幕戦で勝利するなど好スタートを切った群馬グリーンウイングス。高相みな実(左)は今季からキャプテンとしてチームを牽引している
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
SV.LEAGUE
グリーンで埋め尽くされた観客席。目に留まったのは、大きなユニフォームTシャツを着た小さな男の子。コートに向かって懸命に手を振り叫んでいた。
「アスー! アスー!」
声援の先にいたのは、今季から群馬グリーンウイングスでキャプテンを務める高相みな実だ。身長164センチ。SVリーグで最も小柄なアウトサイドヒッターでもある。
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ちなみに“アス”は中京大学の先輩から付けられたコートネーム。今も変わらぬ呼び名なのだが、周囲への浸透度は明らかにこれまでと違う。高相は群馬で感じる熱気を嬉しそうに教えてくれた。
群馬で感じたバレーボール熱
「地元のテレビやラジオで取り上げていただく機会が定期的にあるので、街を歩いていても声をかけてもらう機会が増えました。オフシーズンは保育園とか児童クラブや学童クラブに行って風船を使ったバレー教室も開催しているんですが、そこでも小さい子に『アス、大好き』と言ってもらったり、お手紙をいただいたり。小さいことかもしれないですけど、プロ選手として活動する喜びを日常から感じる機会がすごく増えました」
メディア露出や地域に向けたさまざまな活動を通して、クラブや選手を知ってもらう。その成果は来場者数の増加にもつながっている。
地元・前橋で行われたホーム開幕戦ではNECレッドロケッツ川崎を迎えた。試合には敗れたが、日本代表で活躍した川崎の佐藤淑乃も「会場の雰囲気がすごくよくて、アウェイだけど自分たちも応援してもらっている空気があった」と語ったように、バレーボールを楽しもうとするムードが会場に満ち溢れていた。


