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ドラフト明暗「トミー・ジョン手術した高校生が3位」「むしろケガを経験した選手のほうが…」プロ野球スカウトが明かす“指名漏れ”の意外な理由
posted2025/10/31 11:04
ロッテ1位の石垣元気(左)とポーズを決める健大高崎・佐藤龍月(オリックス3位)。昨春センバツ優勝投手がケガを克服し、プロの世界に挑む
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西尾典文Norifumi Nishio
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JIJI PRESS
なぜ、あの有力選手が指名されなかったのか――ドラフト会議の後に必ず話題に上がるのが「指名漏れ」となった選手たちの名前だ。後編では、今年のドラフトで浮かび上がったある傾向を深掘りしながらドラフトの実情を紐解いていく。〈NumberWebレポート全2回の後編/前編も公開中〉
今年のドラフト会議で指名された選手は、育成を含めると116名におよぶ。その顔ぶれを見ると、ある意外な事実に気がつく。それは現在、故障を抱えている、もしくは故障歴がある選手が多く指名されているということだ。
ヤクルトに2位指名を受けた松川玲央(城西大)は、春のリーグ戦途中に肘を痛め、その後は指名打者のみの出場でショートの守備につくことはできていない。さらに他の指名選手を見ても、稲川竜汰(九州共立大→ソフトバンク2位)、鈴木豪太(大阪商業大→ソフトバンク3位)、山崎太陽(創価大→ヤクルト3位)、堀越啓太(東北福祉大→西武4位)、能戸輝夢(明秀日立→中日4位)、高木快大(中京大→広島7位)らケガの影響で本来のパフォーマンスを見せることができなかった。
巨人に2位指名を受けた田和廉(早稲田大)、高校生の佐藤龍月(健大高崎→オリックス3位)の両投手は、すでにトミー・ジョン手術を経験している。今年27歳のオールドルーキーと話題を集めた片山皓心(Honda→DeNA4位)にいたっては、2回の手術を経験して社会人に入ってから約2年間も公式戦から遠ざかっていたという経歴を持つ。
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この事実について、ドラフト会議後、あるスカウトはこう語った。

