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ドラフト明暗「トミー・ジョン手術した高校生が3位」「むしろケガを経験した選手のほうが…」プロ野球スカウトが明かす“指名漏れ”の意外な理由 

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西尾典文

西尾典文Norifumi Nishio

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posted2025/10/31 11:04

ドラフト明暗「トミー・ジョン手術した高校生が3位」「むしろケガを経験した選手のほうが…」プロ野球スカウトが明かす“指名漏れ”の意外な理由<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ロッテ1位の石垣元気(左)とポーズを決める健大高崎・佐藤龍月(オリックス3位)。昨春センバツ優勝投手がケガを克服し、プロの世界に挑む

「ケガをしている選手の方が良いというわけではないと思いますが、どんな選手でも長く野球を続けていれば、大なり小なりどこか痛めるものです。一度もケガすることなく、野球人生を全うするような選手はまずいません。どうケガと付き合っていくかということもプロの選手として重要なので、その辺りも評価対象に含まれているように思います。また近年は故障に関する知見が増えており、以前と比べて手術に対するハードルがかなり下がっていることは確か。特にトミー・ジョン手術などは早めに決断してやった方が良いのではないかという意見もあるほどです。ただ手術して治すだけではなく、再発しないようにフォームを見直したり、リハビリ中にトレーニングをしてパフォーマンスが上がることも珍しくないため、アマチュアの時代にそういう経験をしていることをプラスに見るスカウトもいると思いますよ」

 先に挙げた左腕の佐藤は高2夏にトミー・ジョン手術を決断して話題となった。以前のように極端にインステップするフォームから捕手方向にまっすぐ踏み出すスタイルに変え、今年夏の群馬大会では短いイニングでの登板ながら自己最速を更新した。対照的に、今年指名漏れとなったある選手は肘を痛めながらもトミー・ジョン手術を回避して保存療法を決断したが、最終的にはパフォーマンスが戻らなかったというケースもあった。

 手術をすることはメリットばかりではないが、そういった故障とどう向き合い、どうレベルアップしていくかという点は、指名において重要視される傾向が強まっている。ケガに対する認識が大きく変わってきていることを象徴するドラフトだった。

【次ページ】 “成功例”に近いタイプは指名されやすい

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