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「本当に志望届を出していいのか」ドラフト裏話…《楽天4位指名》高校No.1捕手がスランプに悩んだワケは? 転機となった兄の助言「プロの方が夢がある」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byGenki Taguchi
posted2025/10/25 17:01
楽天から4位指名を受けた福島・学法石川高校の大栄利哉だが、実は直前までプロ志望届の提出を悩んでいたという
監督の普段からの教え。そして、「春から3日に1回は連絡を取っていた」という兄の陽斗から「大学に進むよりも、プロになったほうが夢がある」と後押しされたことで、大栄の覚悟が固まった。
9月25日にプロ志望届を提出した大栄は、決意を新たにしてようやく公言した。
「高いレベルで挑戦したい気持ちがずっとあったので。打てるキャッチャーを目指したい」
ドラフト会議当日…止まらなかった緊張
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そして迎えた運命の日、10月23日。
6時に起床し、「今日、ドラフトなんだな」と意識してから緊張が止まらなくなった。8時に登校しても、授業を受けていても、鼓動が収まることはなかった。
そうして訪れた、驚きと安堵。
憧れだった楽天から4位で指名されたことに「予想以上の評価」と喜んだ。大栄と固い握手を交わして祝福した佐々木の顔にも、絶えず笑みがこぼれていた。
「いやぁ、本当によかったです。獲ってくれた楽天に感謝していますし、嬉しいです」
目じりを下げ、教え子に想いを馳せる。
「大栄が持っている運命とでも言うんですかね、そういったものをすごく感じます。順風満帆からの紆余曲折がありながらも乗り越えていったからこそ、運を引き寄せたんでしょうね」
佐々木が前任の仙台育英で監督をしていた頃からの訓示がある。
運命を愛し、希望に生きる。
学法石川の大栄は、まさにそれを体現し、プロ野球選手となる。

