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「じつは3児の父」柳田悠岐37歳の“意外な素顔”「奥さんが食事を…」変えた食生活、“まるでサラブレッド”な肉体美…ソフトバンク怪物、ケガから復活ウラ側
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/10/22 06:00
ソフトバンク柳田悠岐37歳の意外な素顔とは
「量を減らすだけだと体がもたない。いいものをたくさん食べる。牛の赤身と鶏ムネ肉ッスね」
球場を離れれば3児の父親。育ち盛りの子どもたちは当然揚げ物などを好むが、「奥さんが僕の分は別に用意してくれるんです」と感謝を口にする。
その果てに手に入れた筋肉美は、まるでサラブレッドだ。
「オルフェーヴルを思い出す…」
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柳田といえば、現役プロ野球選手でありながら競走馬を所有する“馬主”でもある。そんな彼をもし名馬に例えるならば、オルフェーヴルだと思っている。柳田には「ハチャメチャなところですか?」と笑われた。たしかに破天荒な怪物と称される点も共通するが、両者の歩みがどことなく似ているのだ。
オルフェーヴルはデビュー前、同世代の中では決して最注目の馬ではなかった。レースでも最初は苦戦の連続だった。だが、3歳になると才能が爆発的に開花。史上7頭目となるクラシック三冠を制し同年に有馬記念も勝って3歳四冠を達成するなど伝説級の強さを示した。
柳田もドラフト指名時は目玉と呼ばれる選手ではなく、プロ1年目はわずか6試合出場で5打数ノーヒットとまるで通用しなかった。そんなスタートから、その後スターダムへとのし上がったのである。
「オルフェーヴルは僕自身も好きな一頭。そう言ってもらえるのはすごく嬉しいですね」
ところで、オルフェーヴルは比較的早い時期から活躍した一方で、じつは晩成型の馬だったのではと評する声も多いのだ。
柳田は常に「キャリアハイを目指す」と口にしている。モチベーションを維持するための言葉だと思っていたが、ベテランと呼ばれる37歳の秋、目の前で凄みを証明してみせた。
常に今がピークの思いで歩んできた。まさに衰え知らず。
25日に開幕する日本シリーズではセ・リーグ王者の阪神と激突する。CSファイナルでは1番打者と4番打者を務めた柳田は、一体どんな形で出場し、次はどんな衝撃を我々に与えてくれるだろうか。

