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「一度も日本に行ったことないが…」元NBA名選手の息子が日本代表入りを熱望…なぜ? 注目の逸材17歳「祖母はドジャース監督とも深い関係が」
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2025/10/21 11:00
母ラナさん(右)、祖母・由布子さんと一緒に取材に応じたタージ・アリーザ。MLBドジャース日本人トリオのTシャツ姿で登場したタージは、日本代表としてプレーする意欲を明かした
タージの母方の祖母は日本人の島崎由布子。アメリカ人と結婚して1978年に渡米した。一時期ハワイに住んでいたときに、デーブ・ロバーツ(現ロサンゼルス・ドジャース監督)の母、エイコと出会い、以来、家族のようなつきあいをしている。ロバーツ監督が8歳の頃には、彼のベビーシッターをしていたこともあるという。1984年にサンディエゴ近くのエルセントロでタージの母となるラナを出産。1991年にロサンゼルスに移った。その後、ラナがトレバーと出会い、2008年3月にタージが生まれた。
由布子やラナのもと、タージは子供の頃から日本の食事や文化に囲まれていた。由布子がご飯と味噌汁をつぶして作った離乳食で育ち、小さな頃から何でもしょうゆをつけて食べるので、ラナから『リトルしょうゆ』と呼ばれていたこともある。1歳のときには、日本の親戚から兜を贈られた。日本のアニメもよく見ていて、スタジオジブリのアニメのほか、ドラえもんやクレヨンしんちゃん、アンパンマンが大好きで、ドラえもんに出てくるタケコプターのおもちゃを買ってもらって跳びはねていたという。
生後9カ月でダンクシュート
赤ちゃんのときから足が強かった彼は、生後9カ月で歩くようになり、そのあとすぐ、家にあったおもちゃのゴールにシュートするようになった。
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「生後9カ月ぐらいの僕がミニゴールにダンクをしている写真があるんです」とタージ。
母や祖母によると、真剣な顔で、何度も何度もシュートしていたという。
それから17年弱、バスケットボールにはずっと真剣に向かい合ってきた。野球やフットボールをやっていたときもあるが、いつもバスケットボールに戻ってきた。ラナが「彼はバスケットボールをするために生まれてきた」と言うほど、バスケットボールに夢中で、それは変わることがなかった。
「NBA選手だった父をいつも見ていましたし、他の選手たちも見ているうちに、とにかくバスケットボールに夢中になったんです」
実は祖母の由布子も学生時代にバスケットボール選手だった。だから子供の頃には、よく祖母とも裏庭でバスケットボールをしていたという。
「いつも私に、シュートするところをスローモーションで録画してって頼んできたんです。コービーが好きで、コービーの真似をして、空中で一瞬止まってシュートしたり。それがすごく上手なのよ」(由布子)。




