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「一度も日本に行ったことないが…」元NBA名選手の息子が日本代表入りを熱望…なぜ? 注目の逸材17歳「祖母はドジャース監督とも深い関係が」 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2025/10/21 11:00

「一度も日本に行ったことないが…」元NBA名選手の息子が日本代表入りを熱望…なぜ? 注目の逸材17歳「祖母はドジャース監督とも深い関係が」<Number Web> photograph by Yoko Miyaji

母ラナさん(右)、祖母・由布子さんと一緒に取材に応じたタージ・アリーザ。MLBドジャース日本人トリオのTシャツ姿で登場したタージは、日本代表としてプレーする意欲を明かした

 今のタージはどんな選手なのだろうか。本人によると「バーサタイルな(色々なプレーができる)選手」だという。「パスが出せて、ガードもできます。ディフェンスでは1番から5番まで守れて、リバウンドも取れて、得点もできます。まわりの選手のためにプレーメイクをしたり、みんながよりいいプレーができるようなプレーをします。何よりも、勝つのが大好きです」

 高校最終年となる今シーズンは、全米でも1、2位を争う強豪校、リンクアカデミーに転校することが決まっている。タージ自身、同学年の選手のなかで全米トップ25に入るほど高く評価されている有望選手で、身長は昨季の早いうちに父(6フィート8インチ=203cm)を抜き、現在は素足で6フィート9 3/4インチ(約208cm)まで伸びている。多くの強豪大学から勧誘があったなか、10月3日に強豪揃いのビッグテンカンファレンスのオレゴン大への進学を発表した。目標は「オレゴン大がNCAAトーナメントで勝ち進むのに貢献して、NBAという夢に近づくこと」と、目を輝かせる。

一度も日本に行ったことないが

 もうひとつ、別の目標もある。2028年のロサンゼルス五輪で、日本代表としてオリンピックに出場することだ。アメリカ生まれで一度も日本に行ったことがない彼は、現時点では日本国籍を持っていないため、簡単なことではない。それでも、フープサミットで日本を代表してプレーしたことで、日本への思いをさらに強くしたのだという。

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「フープサミットの日本代表としての出場は(母方の)家族や親せきのためにやったことだったんですけれど、やってみて、『JAPAN』と胸に書かれ、日本の旗がついたユニフォームを着るということが、僕にとってもとても大きな意味を持っていたことに気づきました。何かのためにプレーしているという感覚があり、自分のルーツを代表したいという気持ちになりました」

 由布子によると、彼女の祖先は新選組の近藤勇を養子に迎えた島崎周助。天然理心流剣術の3代目宗主だ。そんな家系もあり、彼女はタージにはサムライ魂を感じるのだという。

「タージくんは外見こそ違うけれど、中身はとても日本的な子なんです。アメリカ生まれだけどサムライ魂を持って生まれたと思っています。一本気でギブアップしないし、何があってもとことんやりぬくという根性を持っている。バスケを見ていても、どんなに難しくて負けそうになってもカムバックする。失敗から勉強して、改善して戻ってくる。そういうところにサムライを感じます」

【次ページ】 名コーチを介して八村塁と対面

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