核心にシュートを!BACK NUMBER
「ウエダが18番を? 嬉しいなぁ」上田綺世と父の“背番号秘話”にドイツ伝説FWが超ご機嫌「私は約束するよ」ブラジル撃破翌日、クリンスマンに聞いた話
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto/Getty Images
posted2025/10/18 17:00
背番号18をまとう上田綺世の話を振ると、ドイツの伝説的ストライカーであるクリンスマンは超ご機嫌だった
61歳になり、好々爺としてブンデスリーガの発展に協力する立場にある往年のストライカーは、前日に行なわれた日本とブラジルの試合について、こちらが尋ねてもいないのに、熱を込めて話してくれた。
「やはり、上田が18番を選んでくれたのは嬉しいなぁ。それはともかく……まずは、あなたたちを祝福しないといけない。ファンタスティックな結果だね! そもそも、ブラジル、アルゼンチン、イングランド、ドイツ、スペイン、フランスのような国と戦うとき、選手たちは『そうしたチームと戦って、自分たちの力を証明したい』と考えるものなんだ。だから、素晴らしいことを成し遂げられたことになる。あのブラジルを倒したのだから、『特別な1日になったね!』と私は祝福しないといけないね。この勝利によって日本代表は自信を深めるだろうし、それによってチームの雰囲気も良くなるはずだ。そして、来年夏のW杯での国民の期待感も高まるだろう。本当に大きな勝利だったね」
彼は韓国代表の前監督でもあり、2024年のアジアカップ後にその職を失うことになったのだが、その悔しさも日本への賛辞に力をこめる要因になったのかもしれない。
フェイエや日本代表戦をしっかり追いかけるよ!
ADVERTISEMENT
話はまだ、終わらなかった。ここから先に、漫画のような展開が続いた。
「さて、背番号18の話に戻そう!」
彼にとって、上田とその父親のエピソードはそれくらい特別だったのだろう。当時のドイツ人としては珍しく、トッテナム・ホットスパー、ASモナコ、インテル・ミラノなどでプレーしたこともあるクリンスマンは、自身の経験を引き合いに出し、ブラジル戦で殊勲のゴールを挙げた「背番号18」への賛辞を送った。
「私も経験があるからわかるが、彼のような若いストライカーが、国外のリーグで活躍するのは『サプライズ』と言ってもよいくらいに難しいことなんだ。もちろん、今回のブラジル戦のような代表でのビッグゲームで活躍することもね! だから、私は約束するよ。これからはフェイエノールトや日本代表の試合をしっかり追いかけていく。だって、彼について、これほどまで好奇心をそそるような話を教えてくれたんだから。改めて言わせくれ。どうもありがとう!」〈サッカー日本代表特集:つづく〉

