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「ウエダが18番を? 嬉しいなぁ」上田綺世と父の“背番号秘話”にドイツ伝説FWが超ご機嫌「私は約束するよ」ブラジル撃破翌日、クリンスマンに聞いた話
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto/Getty Images
posted2025/10/18 17:00
背番号18をまとう上田綺世の話を振ると、ドイツの伝説的ストライカーであるクリンスマンは超ご機嫌だった
「番号を変えるのはそんなに簡単なものでもないし。そもそも9番を代表側からもらって、自分の中でもリスペクトを感じていて。その番号に添えるような活躍、責任を持ってやらないといけないと思っていました。ただ(18番に変えたいと意向をスタッフに)ずっと伝えていて。ようやく、自分の欲しかった番号をもらえて、国と一緒にその番号を背負って戦えるというのは僕にとってはすごく特別です」
こう話すとともに、上田の口から出てきたのはクリンスマンの名前だった。
「父がクリンスマンのことが好きで、(父が好んで)18番をつけていたんです。僕はクリンスマンのことを詳しくは知らなくて。ただ、自分は父に憧れて、サッカーを始めた。だから、サッカーを始めてからずっと、父の真似をして18番をつけてきたし。海外でも、代表で、その番号にこだわり続けたいなと思います」
そのエピソードは私にとって本当に名誉だ
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そこで、そのエピソードをクリンスマンがどう感じるのかを尋ねてみた。なお、オランダのエールディビジの得点ランキングで上田がトップに立っていることはもちろん、インタビュー前日に日本がブラジルを撃破したこともクリンスマンは知っていた。その3点目を上田が決めたことまでは把握していなかったようだが、先のエピソードを伝えると、笑みを浮かべ、開口一番にこう話した。
「背番号についてのそんな話があるなんて、知らなかったよ! そのエピソードは私にとって本当に名誉なことだ。私が18番を背負っていたのは、はるか昔のことだが(※現役引退は2004年)、この番号を選んでくれて、私は新たな栄誉を手にしたことになるね……」
この言葉を皮切りにクリンスマンにスイッチが入り、背番号18を自身のトレードマークにした理由まで説明をしてくれた。
「私がドイツ代表に初めて入ったとき、フォワードが背負うイメージである9番や11番はもう他の選手がつけていたんだ。特に、9番はずっとルディー・フェラーのものだった」
ちなみに、フェラーはW杯とCLの両方で優勝しており、ブンデスリーガの得点王になった名フォワードだ。彼は現在、ドイツ代表のプロ部門ディレクターを務めている。
「だから、他の番号から選ぶしかなくて、『9番の2倍』という意味を込め、18番に決めた。そして、いつからか、この番号が私のお気に入りになったんだ」
ウエダが18番を…嬉しいなぁ。ブラジル戦勝利は大きいよね
すっかり上機嫌になったクリンスマンのマシンガントークがそこで止まることはなかった。

