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佐々木朗希「これ欲しいです」に先輩左腕が自ら発送…“顔バッグ”主役のロッテ・高野脩汰が明かす今も続く絆「イタズラしてくる…可愛い後輩です」
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/10/16 11:01
“全米デビュー”を果たした話題のバッグ。黒のキャンバス地にクールな表情の高野の写真プリントが映える
海を渡った右腕と最後に会ったのは昨年12月。2024年シーズンに先発した投手が集まって都内で開かれた食事会で隣の席になった。この時、まだ移籍先のチームは決まっていなかったが、すでにメジャー挑戦を表明しており、送別会の意味合いもあった。
「ずっと『お寿司美味しいね』とか他愛もない話とか、冗談ばかり。相変わらず無邪気な少年でした」
白のTシャツに佐々木のサインをもらった。今も自宅の自室に大切に保管している。
朗希のロングリリーフに大興奮
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あれから約10カ月。佐々木朗希はドジャースでリリーバーとしてポストシーズンで躍動している。今季、セットアッパーを中心に活躍した高野も「スーパーリリーフですね」と興奮気味に話す。
印象に残ったのは現地10月9日のフィリーズ戦。8回から登板して3イニングをパーフェクトに抑えてドジャースの勝利に貢献した。高野もまた今シーズン、16度の回跨ぎを経験している。リリーバーの台所事情の苦しいチームにあって勝利のために奮闘した。だからこそ、元同僚の後輩のピッチングに興奮した。
「ボクがコメントをするのもおこがましいですけど、凄いと思います。ボクも今シーズン、イニング跨ぎをする機会があって、なかなか難しい展開もあって、ヒーヒーしていたところもあったのですが、それをメジャーでやって成功している。先発をやっていた中で、チーム事情であのポジションになってやっている。メジャーの中で自分のやれるところを見つけてやっているのは凄い」
「貴重な左のセットアッパー」築き上げた存在感
ただ、昨年までプロ2年間で13試合に投げて1勝という実績だった高野にとっては、この起用法で存在感を示すことができた。
「これまで1イニングで定着していた人はなかなかキツイと思いますけど、ボクはこれまで先発をやらせてもらったり、ビハインドで長いイニングを投げたこともあった。極度の緊張をするタイプでもあるので、逆に一度、緊張感が落ち着いて2イニング目に行く方が良かった部分もあった。特に1イニング目を抑えたら、前向きな気持ちで次のイニングにいけた。むしろ自分の良さ、長所が伸びる可能性を感じた。そこはありがたかった」


