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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「信頼してくれた三浦大輔監督の最後の舞台で」DeNA森原康平が誓う“最高の結果”へ…故障との戦いで得た知見「歳をとるのも悪くないな」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/10/15 11:04
右肩の故障という危機から“逆算”でポストシーズンに合わせて復活してきた森原康平。“刺せる”ボールが蘇るまでの道のりとは
森原はここまでを振り返り、確信を持った表情で言うのだ。
歳をとるのも悪くない
「すべてを突破するのに結構苦戦しましたが、自分らしく目標に向かってコツコツと進むことができました。やはりバッターを抑えるにはコントロールが一番大事だと思いましたし、タイミングも同様に重要だと改めて感じています。そこに加え、バッターを今まで以上に見られるようになりました。アナリストとよくコミュニケーションをとって、データや情報をもらい、根拠がある状況で今はマウンドに立てているので迷いがないんです」
晴れやかな表情で森原は言った。以前にも増してどこか野球が楽しそうだ。
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「僕の仕事はバッターを抑えることなんで、頭をフル回転させてそれを考えるのはすごく楽しいし、幸せなことだなって思っています。今年は本当に大変でしたけど新たな野球の魅力に気づくことができたし、歳をとるのも悪くないなって思いましたね」
そう言うと森原は白い歯を見せた。
三浦監督の最後の舞台のために
さて、いよいよ始まる阪神とのCSファイナルステージ。ファーストステージでは巨人にいい勝ち方をして、良好なムードが漂っているように感じるが、渦中に身を置く森原は現在のチーム状況をどのように感じているのか。
「レギュラーシーズン終盤ぐらいから、コーチやチームメイトと『昨年のポストシーズンみたいになってきたね』なんて話はしています。ファーストステージを経てすごくいい雰囲気になってきているし、伸び盛りの若手もいれば、昨年の経験者も多いので、いい状態でファイナルに突入できると思います。それに……」
森原の口元が締まり、目に力が入るのがわかった。
「僕個人としては、ベイスターズ移籍以来、信頼してくれて大事な場面で起用してくださった三浦大輔監督の最後の舞台になるので、最高の結果をもたらさないといけない気持ちが強いですね。これは去年にはなかった感情です」
大事なときに、一番いい状態でブルペンにいる——。
前半戦、チームの力になれなかった思いも込め、森原は2年連続日本一へ向かい、マウンドに立ち、打者に向けボールを“刺す”。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

