- #1
- #2
ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「信頼してくれた三浦大輔監督の最後の舞台で」DeNA森原康平が誓う“最高の結果”へ…故障との戦いで得た知見「歳をとるのも悪くないな」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/10/15 11:04
右肩の故障という危機から“逆算”でポストシーズンに合わせて復活してきた森原康平。“刺せる”ボールが蘇るまでの道のりとは
ファームでの日々、森原は徐々にバランスを改善し、調子を取り戻していった。ついには球速も140キロ台後半をマークするようになった。そして7月17日、再び一軍へ昇格した。
「これでいける」と実感した
もう失敗はできないプレッシャーのなか、昇格当初は先発投手のあとを受ける浅いイニングでの登板やビハインドなど負担の軽い場面で登板し、着実に結果を残していった。そしてうだるような暑い盛りの時期、「これでいける」と、森原は揺るぎない手応えを感じていた。
「再昇格したときは、実際のところ探り探りの部分もあって調子の波があったのですが、8月に12試合登板したんです。これまでの経験上、1カ月で10試合以上投げるのは本当にきついんです。暑さもありましたけど、ここを乗り越えたとき、ようやく試合で投げられる体になったなって実感したんです。やっぱり本当の意味での調整は、タイトな実戦でしかできないんだなって改めて思いました」
ADVERTISEMENT
チームにとってCS進出への勝負どころとなった9月に森原は9試合を投げ無失点で収め、ブルペン陣で一番の安定感を見せている。気がつけば一時期7.50まで跳ね上がっていた防御率は、レギュラーシーズン終了時、2.57という信頼に足る十分な数字をマークしていた。遅くはなってしまったかもしれないが、艱難辛苦の末、森原は帰ってきた——。
CS第2戦で再び9回に登場
12日の巨人とのCS第2戦、森原は再び9回のマウンドに上がった。5対5の同点の場面、ある意味、前日よりもシビアなシチュエーションだった。
先頭打者の吉川尚輝に対して147キロのストレートをインローに刺し、レフトフライに打ち取ると、つづくリチャードへの初球、今季最速となる150キロのストレートが、森原の生命線であるアウトローに突き刺さった。その後フォークで三振に切って取り、次の丸佳浩には内野安打を許すも、大歓声のなか佐々木俊輔をフォークでセンターフライに仕留め、課せられた役目を果たした。その堂々とした佇まい、安定感は、胴上げ投手になった昨年の姿を彷彿とさせるものだった。

