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堂安律が指摘「もう少し自由さを…ちょっと頭でっかちに」森保ジャパンの攻撃なぜ停滞? W杯までの戦術テスト“じつはあと5試合だけ”楽観できない理由
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/12 17:00
2シャドーの一角として先発し、78分までプレーした堂安律。試合後、攻撃面の課題を率直に指摘した
対アジアの戦いでは、相手の守備組織を「個」で破壊することができる。それ以前に日本のプレッシャーを受けた相手が、自滅的にミスをすることがある。そうやって先制点を奪えば、あとはもう余裕を持って試合を運ぶことができる。
アジアの枠を飛び出すと、そう簡単にはいかないものだ。日本サッカーが強みとする組織力をベースとしつつ、それぞれの「個」が違いを生み出せるかが問われてくる。これはもう、歴代の代表チームも直面してきた古くて新しい課題である。
「チームの約束事」に「カオス」をプラスできるか
この日、ゲームキャプテンを任された南野拓実も、パラグアイの守備力を認めつつ自分たちに矢印を向ける。
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「ワールドカップの準備段階ですし、そういう意味ではやっぱり勝てなかったことに対する悔しさは強い。もちろんいい相手でしたけど、こういう相手に、自分たちのやりたいサッカーとか、もっとボールを握ってゲームをコントロールするとか。個人的にも全然シュートに絡めてないし、中をしっかり締められた時に、どうやってじゃあ次攻撃に入っていくとか、連携からどういうふうにもっと存在感を、相手にとって嫌な存在感を出すとか、今日の試合はそこが物足りなかったなと思います」
シュートに絡めていないと自戒する南野だが、29分に中村敬斗のマイナスの折り返しを受けて、至近距離から決定的な左足シュートを浴びせている。ただ、公式記録に記されたのは、この1本だけだった。シャドーの選手としては、満足できるはずもない。
パラグアイは伝統的に守備が固い。W杯南米予選の18試合を、10失点で乗り切っている。だからこそ、相手の想定の枠を超えるプレーが必要になってくる。「個人的な意見ですけど」と前置きをして、南野は言う。
「チームのやりたいことを表現するのはもちろん当たり前で、その中で自分がもっと自分の得意なポジションだったり、狙いどころっていうのを持ちたかったなあ、と。チームの約束事プラス、きれいなポジションにつき過ぎなくても、ポジショニングで逆にカオスを少し起こして。そういうなかでゴール前へこぼれ球がきたら、自分は反応の速度っていうのは自信があるし。なんかそういうものを、もうちょっと出してもよかったかなと」


