サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER

堂安律が指摘「もう少し自由さを…ちょっと頭でっかちに」森保ジャパンの攻撃なぜ停滞? W杯までの戦術テスト“じつはあと5試合だけ”楽観できない理由

posted2025/10/12 17:00

 
堂安律が指摘「もう少し自由さを…ちょっと頭でっかちに」森保ジャパンの攻撃なぜ停滞? W杯までの戦術テスト“じつはあと5試合だけ”楽観できない理由<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

2シャドーの一角として先発し、78分までプレーした堂安律。試合後、攻撃面の課題を率直に指摘した

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

 3試合連続の無得点は逃れた。2度のビハインドを跳ね退けて、2対2の同点へ持ち込んだ。

 ただ、勝ち切ることはできなかった。

 10月10日に行なわれた、日本代表対パラグアイ戦である。

浮き彫りになった“攻撃面での物足りなさ”

ADVERTISEMENT

 相手は北中米W杯南米予選を、6位で通過した。ホームでアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイを倒した実力は侮れないものの、南米の6位は前回までならW杯にストレートインできない。大陸間プレーオフにも出場できない順位だ。

 日本が「W杯優勝」を目指すのなら、それもホームゲームなら、しっかりと勝ち切るべき相手である。南米のチームとの対戦が、2023年6月のペルー戦以来だとしても、だ。

 この日のスタメンのうち、カタールW杯のメンバーは田中碧、南野拓実、堂安律、伊東純也の4人である。ケガ人続出のDFラインを支えてきたCB板倉滉がメンバー外となり、カタールW杯後はほぼすべての活動に参加してきたキャプテンの遠藤航がケガで招集を見送られた。チームに合流した久保建英は、9月のメキシコ戦から引きずる足首の痛みを抱えており、控えメンバーに名を連ねたもののウォーミングアップに参加しなかった。

 さらに言えば、2試合セットの代表活動では、準備期間の短い初戦が難しい。簡単な試合にならない要素はいくつもあった。

 それにしても、である。対アジアから対世界へシフトした9月以降は、メキシコとスコアレスドローを演じ、アメリカには0対2で敗れた。そして、パラグアイとは2対2の引き分けである。後半アディショナルタイムに上田綺世が同点弾を決めたが、ドラマティックな展開はそれまでの攻撃への物足りなさを浮き彫りにした。

堂安律の指摘「楽しいプレーが少し欠けている」

 コアメンバーが揃っていないことが、その原因なのか。

 それとも、チームのメカニズムに改善の余地があるのか。

 主力のひとりである堂安律は語る。久保不在のこの日は、右ウイングバックではなく右シャドーでスタートした。

「久々のシャドーだったので、少し違った感じで試合をしましたけど、日本代表のことを分析されてきているなかで組織的に守備されてしまうと、どうしても停滞する試合が最近続いている。相手が組織的に守っているなか個で破壊しなきゃと思いながらも、なかなかそこで打開できなかった。そこは僕だけじゃなくて、もっと自由にできる選手が数人いても、逆にいいんじゃないかっていうのは。いろんな戦術を落とし込んできているけど、もう少し自由さとかワクワクする……見ていて楽しいと思ってもらえると、やっぱり自分たちも楽しいので。ゴールに近づくためにも楽しいプレーが少し欠けているというか、それによって停滞する時間が最近は長いんじゃないかなと」

【次ページ】 「チームの約束事」に「カオス」をプラスできるか

1 2 3 NEXT
#森保一
#堂安律
#南野拓実
#小川航基
#上田綺世
#北中米W杯

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ