サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
堂安律が指摘「もう少し自由さを…ちょっと頭でっかちに」森保ジャパンの攻撃なぜ停滞? W杯までの戦術テスト“じつはあと5試合だけ”楽観できない理由
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/12 17:00
2シャドーの一角として先発し、78分までプレーした堂安律。試合後、攻撃面の課題を率直に指摘した
「ちょっと頭でっかちになっちゃっている」
チームの中心として戦ってきただけに、彼らの肌触りは似通っている。堂安も「チーム」と「個」の最適なバランスを、見つけようとしている。
「チームとしての戦術はスタッフが提示してくれているし、そのなかで個の打開意欲は必要だと思う。僕たちが組織的にプレーしても、向こうが組織的にやってくると守られちゃうところがあるので、そこからは選手のアイデアが必要だと思う。そういうのはやっぱり、スタッフから提示できるものじゃない。選手が閃きで出すものだし、見ている人はそれが楽しいだろうし、次にやるブラジルなんかはまさにそういうチームで。ゴール前で違いを作れるし、だから見ていて楽しい。いろんな戦術を落とし込んでくれているので、なんかちょっと頭でっかちになっちゃっている部分があるのかなと。チームのルールがあるなかで、変化を加えられたらと思います」
チームとしてやるべきことと、個人としてやるべきことと──。14日に対戦するブラジルは、そのバランスを探り当てるのが絶妙にうまい。ピッチに立つ全員が「個」で問題を解決できる集団であり、相手の出方に応じて柔軟に対応していく。同じ10日に行われた韓国とのテストマッチは5対0で圧勝した。日本はチーム戦術を遂行しつつ、「個」と「個のつながり」によって即興性や連続性、多様性といったものを発揮していかなければならない。
ADVERTISEMENT
南野はこうも話す。
「ワールドカップを見据えてっていう考え方をすれば、ブラジル相手に守ってカウンターで1対0で勝つことが目的じゃなく、チームとしてやっぱり積み上げてきたものを出して、どれだけ何ができるのかって見るタイミングではあるのかなと思う。いずれにしても、結果にこだわりたい」
来年6月の開幕まで8カ月の時間があるが、残されたテストマッチは11月の2試合と来年3月の2試合、それに6月の2試合だ。直前の2試合は最終調整の意味合いを持つから、戦術的なトライができるのはブラジル戦を含めて5試合ということになる。
時間との戦いは、すでに始まっている。

