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プロ野球PRESSBACK NUMBER
新庄剛志監督が試合前に「サインはバレてるから、変えた方がいいよ」前楽天監督だけが知る“敵将・新庄”の素顔「冷静で繊細、奇策と見せて実は…」
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/10/10 11:02
2024年シーズンに火花を散らした日本ハム・新庄監督と楽天・今江監督
新庄ファイターズと実際に対戦して感じたのは、「奇策」や「新庄マジック」というイメージ以上に、どっしりと構えて向かってくるチームの姿だった。
対戦相手を惑わせる“奇策”の幻影
「新庄さんって“奇策”というイメージが強いかと思うんですけど、それは監督になって2年目のシーズンまでの話です。3年目以降は、そこまで突飛なことはやっていない。結局、2年間の間に色々な選手を見て、経験を積ませて、相手チームに対して『うちはこういう風にやってくるよ』と餌を撒いて警戒させていたんです」
“BIGBOSS”として「優勝は目指さない」と公言し、ほぼ全選手を一軍の試合で試した監督1年目。2年目までは意外な場面でサインプレーを繰り出して、選手にあらゆる状況に対応できる柔軟性を身につけさせて種を蒔いた。一方で、対戦する側にとっては、この強烈なイメージこそが厄介だった。
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「他のチームと対戦する時よりも、一つ余計に選択肢を残しておかなければいけない難しさがある。例えばランナーが一、三塁になった時、普通ならばあり得ないというカウントでもダブルスチールやセーフティースクイズを仕掛けてくる可能性がある。守る側としては、勝負の局面で警戒する要素が多ければ多いほど負担が増えますからね」
「先発投手レイエス」陽動作戦に今江監督は…
昨年8月27日の日本ハム対楽天戦の前には、こんな“トリック”もあった。新庄監督が自身のインスタグラムで野手のレイエスの先発登板を示唆したのだ。

