甲子園の風BACK NUMBER
田中将大200勝のウラで…早稲田実業“あの甲子園優勝メンバー”今何してる? 広告代理店、商社、生命保険に「転職組」も…駒大苫小牧と19年ぶり再戦
posted2025/10/01 11:01
2006年、夏の甲子園決勝カードが19年ぶりに実現。37歳になった早稲田実業メンバーたち
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
Masaki Fujioka
北海道は新千歳空港から電車に乗って30分。JR北広島駅からさらに車で20分ほどの田園風景のなかに野球場がポツンと佇む。斎藤佑樹(元北海道日本ハム)が手がけた「はらっぱスタジアム」(長沼町)だ。
早実と駒大苫小牧…あの選手たちは今
今年(2025年)5月にオープンしたこの少年野球場には、「子どもたちにフェンスオーバーのホームランを打って、ダイヤモンドをゆっくり回る経験をして欲しい」という斎藤の願いが込められている。両翼70メートル・中堅85メートルのフィールドは木製のフェンスで囲われ、投手板から本塁までの距離は16メートルだ。東京の早稲田実業学校高等部に進学するまで、群馬県太田市で軟式野球に励んでいた斎藤は言う。
「還暦野球ってご存じですか? 60歳以上の方を対象にした野球のルールで、フィールドの広さは少年野球とほぼ変わらないんです。ゴルフでいうシニアティーのようなものですよね。少年野球だけでなく、生涯スポーツとして還暦を迎えた方たちにここで野球をやってもらいたい。そういう目的もあります」
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北海道でも残暑の厳しかった9月7日、はらっぱスタジアムに「W」と「K」のベースボールTシャツを着た男たちが集まっていた。彼らは2006年夏、延長15回を引き分け、再試合までもつれた甲子園決勝を争った早稲田実業(西東京)と駒大苫小牧(南北海道)のメンバーである。あの日ベンチ入りしていた両校の主要メンバーがこうして一堂に会すのは、19年ぶりのことだ。中には伴侶や子どもを連れだってやってきたメンバーもいる。



