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早稲田実業の新監督“あの人物”が有力候補も…本人「想像つかない」甲子園決勝メンバーも37歳に…「斎藤佑樹からホームラン」駒大苫小牧ナインは今
posted2025/10/01 11:02
2006年、夏の甲子園決勝カードが19年ぶりに実現。37歳になった早稲田実業メンバーたち
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
Masaki Fujioka
早実主将は外資系保険会社で…
19年前の早実で主将を務めた遊撃手の後藤貴司は、早実チームの4番遊撃手として出場したこの日も、軽快な動きでゴロを捌いていった。社会人野球「日本製紙石巻」でもプレーした後藤は、野球の動作解析などを行う「ネクストベース」勤務を経て、昨年から外資系の大手生命保険会社に勤める。
「社会人まで野球をやったのは、プロになりたかったから。でも結局、3年で踏ん切りをつけて、引退後はお世話になった日本製紙石巻に貢献したいと思って働いていました。当然、社会勉強になったんですが、紙の事業ではなく、自分のやりたいことをやろうと思ったのが最初の転職のきっかけでした。野球を志すジュニアの年代や高校野球においては、いまだにある根性論みたいな部分とか、練習量とかも大事な部分だけれども、そういうアナログな部分とデジタルな動作解析をハイブリッドでやっていくことが大事だと思っていました。だからネクストベースで営業コンサルティングとして働くことは、自分の野球人生のなかでも意義があると思っていました。先々、指導者になるということも見据えて、勉強の意味合いもありました」
しかし、昨年からは保険会社という、野球とはまるで関係のない会社に籍を置く。
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「きれい事に聞こえるかもしれないですけど、お客様ファーストで、お客様に寄り添うことを大事にしている会社。契約していただいて、万が一があった時に、保険金を届ける納品までフォローしていく。またこれまで限られた世界の方としか会えなかった分、新たな出会いがたくさんあり、視界が広がったように思います」
「高校野球監督は…想像つかない」
彼らの恩師で、現在も早実の指揮官を務める和泉実監督は今年9月に、64歳になった。教え子の誰もができるだけ監督を続けてもらいたいと願う一方で、後継者候補として真っ先に名前が挙がるのが全国制覇を達成した代の主将であった後藤だ。


