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甲子園の風BACK NUMBER
《京大・阪大合格者も輩出》偏差値70“大阪の公立進学校”野球部が秋大会で躍進のナゼ「練習は2時間だけ」「グラウンドは共用」でも…強さの秘密は?
posted2025/12/16 11:02
センバツの21世紀枠候補として大阪府から推薦も受けた生野高校。府立の進学校ながら近年は野球部の活躍も目立つ
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沢井史Fumi Sawai
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Fumi Sawai
来春のセンバツ21世紀枠の候補校が発表された。近畿枠からは漏れたが、大阪府から推薦されたのが府立生野高校だ。例年、京大・阪大をはじめとした難関大に合格者を出す公立の進学校だが、今秋の府大会は強豪私学を破ってベスト16に入るなど活躍を見せた。躍進のウラにはどんな理由があったのだろうか。《NumberWebレポート全2回の1回目/続きを読む》
12月12日。16時を過ぎたころ、生野高校のグラウンドに部員31人の円陣ができていた。
「今日は残念やったけれど、こればかりは自分たちがどうこうではないからね。今日からまた頑張っていこう」
吉村健監督の言葉が円陣の中に響く。その言葉に呼応するように、選手たちの声が吹き抜ける冷たい風に乗って耳に飛び込んできた。
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「夏は自分たちの力で甲子園に行こう」
大阪府から21世紀枠候補に推薦も…
この日は来春センバツの各地区の21世紀枠候補校の発表の日だった。
大阪府で推薦されていた生野高校は残念ながら近畿地区の候補校に選出されなかったが、吉村監督は穏やかな口調でこう述べる。
「大阪の代表として推薦してもらったのは本当にありがたいことです。これまでの努力を認めてもらえたのかなと思っています。何より生徒らが本当に喜んでいましたので」
大阪府松原市に位置する生野高校は、2020年に創立100周年を迎え、大阪府に10校あるグローバルリーダーズハイスクールに指定された。
公立校ながら府内屈指の進学校として名高く、大阪府の吉村洋文知事をはじめ、アーティスティックスイミング元日本代表ヘッドコーチの井村雅代氏、日本サッカー協会会長の宮本恒靖氏など各界に卒業生を輩出している。毎年、京大・阪大をはじめとする難関国立大学にも合格者を多数送り出す。

