- #1
- #2
プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「両親は私を会社員だと思っています」誰にも気付かれずにプロレス転身…スターダム・さくらあや29歳の“反骨精神”「玖麗さやかがめちゃ評価されて…」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/09/26 17:05
スターダムで活躍するさくらあや。今年3月に他団体のベルトを獲得し、さらなるステップアップを目指している
インドア派かと思いきや、じつは「旅行も好き」だと話す。
「この前コズエンのメンバーで、それぞれインドア派かアウトドア派かって話したんです。私がインドア派って言ったら『違うやろ』って。一人でも出かけますし、海外にも行きます。アジアが好き。タイ2回、韓国2回、台湾も2回。中国1回、今度で中国も2回目。冒険が大好き。タイはバスなのか電車なのか、地図見ただけではわからなくて結局めっちゃタクシー乗りました。ボリビアのウユニ塩湖(3700mの高地にある世界最大の塩湖で、絶景で有名)にもずっと行きたいと思っています。でもおうちも大好き。普段が忙しいから、洗濯や家の掃除もしないと」
「両親は私を会社員だと思っています」
さくらは「私がプロレスをやっていることを両親は知らないんです」と言う。
ADVERTISEMENT
「この前『5★STAR GP』が神戸であったので実家に帰ったんですが、まだ、知られていなかった。バレていない。年末に4つ上の兄が亡くなって、親に『帰ってこない?』って言われて。元々あまり仲良くなくて東京に来てから疎遠になり連絡をとっていなかったんですが、子供を亡くして参っている両親の姿を見るとさすがに苦しくて、また連絡を取るようになりました。両親は私を会社員だと思っています。私が出ているテレビを見たり、グッズとかもあげたら喜んでくれるかな。だけどプロレスって言ったら心配するかな。言うか言わないか迷っています。ただ一つ目標ができて、地元の神戸ワールド記念ホールで母が働いていて、私の顔が載ったポスターが貼られるようになったら、そのレベルになれたら言おうかな」
「私、リングの上と(見た目が)違うみたいなんです。幼馴染のSNSのアイコンが新日本の本間(朋晃)選手で、『さすがに私のこと気づいているよね?』って言ったら、『何?』って顔されて。それでいて幼馴染はスターダムのことに詳しくて、『HANAKO、蘭奈、キッズからやっている子多いよね』みたいな。吏南さん、羽南さん、琉悪夏さん、(スターライト・)キッドさんも知っていたのに、私のことは気付いてなかった」
さくらの中で「スターダムのベルトがほしい」という思いが首をもたげている。10月5日には中国・広州で行われる新日本プロレスとスターダムの合同興行『Historic X-over』にも参戦が決まった。秘めていた感情をもう抑えることはない。抑える必要もないだろう。素のさくらあやを、もっと見てみたいと思う。
<前編とあわせてお読みください>


