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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「両親は私を会社員だと思っています」誰にも気付かれずにプロレス転身…スターダム・さくらあや29歳の“反骨精神”「玖麗さやかがめちゃ評価されて…」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/09/26 17:05
スターダムで活躍するさくらあや。今年3月に他団体のベルトを獲得し、さらなるステップアップを目指している
「他団体のベルトを持った経験があるからこそ言えるんですが、どうしてもスターダムのリングに話題を持っていかれる。昨年10月の仙女のじゃじゃ馬トーナメントは決勝で負けたけれど、その試合を評価してもらえて、うれしかった。初めて同期たちより前に出られたかな、ってやっと自分を認めてあげることができた。でも、翌週に後楽園でダンプ(松本)さんたちが来てコズエン(コズミック・エンジェルズ)と試合をしたら、玖麗のファイトがめちゃ評価されて……。やっぱりスターダムで結果残さないとって余計に沈んじゃって、めちゃくちゃ辛かった。玖麗は(中野)たむさんと組んでタッグリーグにも出る。追い打ちは雑誌『RING PLUS』の表紙を二人でやっていて、私はコズエンにいる意味があるのかなと、そこまで考えました」
その時を思い出すと、さくらの目から涙があふれてきた。玖麗へのライバル心は大きい。
「落ち込んでも立ち上がるけれど、1週間くらいしんどかった。初めて自分で自分を認めてあげることができた直後だったので、すごく辛かった」
「歳を取るのが怖かった。でも…」29歳のリアル
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9月13日には29歳になった。女子プロレスラーとしては遅咲きと言っていい年齢だ。
「なんか20代前半は歳を取るのが怖かった。でも今は『あ、誕生日だ』って感じ。昔からバースデーフォト撮りたいなあ、とずっと思っていたんですけど、去年も撮れなかった。節目として、『今年は絶対撮るぞ!』って。29歳までこういう仕事をしているとは思ってなかった。体はもう動かないだろうと思っていましたけど、一番動けています」
そう言って、自慢気にスタジオで撮ったバースデーフォトを見せてくれた。筆者のカメラを見ながら、写真に興味があると明かした。中学校の頃は『写ルンです』を修学旅行に持っていったという。
「Rinatyっていうセルフポートレートを撮る人を知ってますか? その人が格好いい。三脚を立てて、タイマーで撮る。カメラできる人、格好いい。私も興味あります。前にVlogカメラをもらって使っていました」
さくらは体形を気にしていると明かした。
「食べたらすぐ太るんです。復帰してから、へそ出し衣装に変わった。自分の容姿に対しては厳しい。さんざん『ビジュアルが』って言われてきたから、最低限、体形は頑張らないと。食事はちょっと太ったなあと思ったら気を付けています。頑張って絞っているのに、『プロレスラーとして細すぎる』って書かれたりします。弁解させてもらえば、私、すぐ太るんですよ。努力してウェイトトレーニングで絞っているんです。自分のファイトスタイルとして大きくない方がいいので」


