「両親は私を会社員だと思っています」誰にも気付かれずにプロレス転身…スターダム・さくらあや29歳の“反骨精神”「玖麗さやかがめちゃ評価されて…」

新人時代は「たくさん比較されて、たくさん傷付いた」

　スターダム入門から3カ月、さくらあやは筋トレしかやっていなかった。「来月、プロテストをやる」と唐突に言われ、翌週から実技が始まった。

「マット運動は養成所でやっていたんで、できたんです。でもロープワークは痛いし、受け身は難しかった。アクションの受け身は音を立てずに静かにとるので、プロレスと真逆なんです。理解しても体が追いつかない。『できる組』と『できない組』に分けられていた。『こんなに差が開いているんだから、焦った方がいいよ』と先輩に言われました」

デビュー前のさくらあや　©Essei Hara

　1カ月で実技を叩き込まれ、プロテストが行われた。

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「今思うと、令和7年組の子たちとプロテストを受けていたら落ちたろうなというレベルだった。プロテストで受かった後に、玖麗（さやか）と（八神）蘭奈が入ってくる。当時練習生はプロテスト合格組も新しく入った子もクラスは分けられていなかったです。私たちは筋トレだけで始まったのに、私たちの後から入ってきた子たちは方針が変わって初日から受け身や実技をできるのがうらやましかった。私のデビューは迫っているのに、全員クラスが一緒だから基礎練習が中心でなかなか進まない。これでデビューできるのかな、って」

デビュー戦のリングに向かうさくらあや。2023年3月25日、横浜武道館　©Essei Hara

「もっと昔の先輩には『いやいや、恵まれているよ』と思われるかもしれないけれど、今考えると期間も短くあまり教わらないまま、蹴りも一度も見てもらえないままデビューしました。空手の要領の蹴りで戦いました。空手は足を引かなくちゃ点にならないし、蹴り込むと反則だから、つま先で蹴るんです。でもそうするとプロレスの試合ではインパクトに欠けていて、批判の声が多かった。実技は3カ月しか習わずにデビュー。私たちの後からデビューした子達は1年ほどの練習生期間があります。たくさん比較されて、たくさん傷付いた。同期のHANAKOは学プロの下地もありますが、私には何もなかった」

　2023年3月25日、横浜武道館。デビュー戦の相手はジュリアだった。

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