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「日本代表に選ばれても川崎フロンターレでは“控え”」大関友翔20歳の危機感…“ユースで同期”高井幸大は名門トッテナム移籍「正直、差は感じてます」
text by

いしかわごうGo Ishikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/09/25 11:42
川崎フロンターレの大関友翔。9月27日に開幕するU-20W杯での活躍が期待される
「インタビューに答えるのが好き」な理由とは?
言語化能力の高さについては、練習後や試合後に述べるコメントにもよく表れている。
大関が口にする言葉は、テンプレートと呼ばれるようなありふれたコメントではないことが多い。このインタビューでも強度のある言葉を度々口にしていた。
言葉を発する際、本人は何を意識しているのだろうか。
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「率直に感じたことや、自分がしなきゃいけないことを話しながら整理しています。プレーに対しての答えや感覚は持っている方だと思いますし、自分の感情を話すことも多いですね。憲剛さんもよく言ってますけど、言語化できる選手はサッカーがうまい選手でもあると思ってますから」
そして、こう続けた。
「メディアの方に話してると、自分の考えが整理されることもあるので、インタビューに答えたりするのが好きなんですよ。逆に自分が活用させてもらってるところもあります」
取材を受けるのが好きだと言われて、好感を抱かない取材者はいない。
同期・高井幸大への“本音”「正直、差は感じてます」
対照的に、大関とフロンターレU-18時代の同期である高井幸大は、いつも言葉が少なめでクールだった。
彼がイングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーに完全移籍したことは、この夏のビッグニュースだった。せっかくの機会なので、2人が出会った頃の記憶を尋ねてみた。よく知る間柄だからこそ、遠慮のない言葉を並べる。
「出会った頃の高井ですか。デカかったですけど、モサかったんですよ(笑)。足も遅くて、ステップも鈍い。当時はポカもする選手だったんです。でも、今はすごい選手になりましたね。正直、差は感じてます」
この年代の日本代表に選ばれている大関は、世代におけるトップ集団を走る選手でもある。だが高井は、常に自分の一歩先を歩いているような存在だった。
「僕がU-17や18の代表に呼ばれてる時にU-19や20の代表に呼ばれて、U-20のW杯に行ってましたから。自分より早くプロデビューしてスタメンを掴んで、五輪に出てA代表にも入って海外に行った……。全部、自分の先を行ってるんですよ。追いかけてやっと背中が見えても、どんどん離されていく感覚があります。常に刺激をくれる存在なので、早く追いつきたいです」
同期ならではの絆もある。
7月、高井の退団セレモニーが行われた等々力陸上競技場での鹿島アントラーズ戦後のことだ。

