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「日本代表に選ばれても川崎フロンターレでは“控え”」大関友翔20歳の危機感…“ユースで同期”高井幸大は名門トッテナム移籍「正直、差は感じてます」
text by

いしかわごうGo Ishikawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2025/09/25 11:42
川崎フロンターレの大関友翔。9月27日に開幕するU-20W杯での活躍が期待される
ミックスゾーンでの大関は「泣いちゃうかなと思ったら、高井が泣いてなさすぎて……。あまりにも泣く可能性のないセレモニーでびっくりした」と切り出して報道陣を笑わせた。
お互いに熱の入ったメッセージは交わさなかったという。それが2人の呼吸だったからである。
「特に熱い言葉はなくて、『頑張ってこい』と言いました。僕は情熱的なタイプなので、高井に大好きな気持ちをいつも伝えてたつもりなんですけど、彼はドライなので(笑)。急に熱く語り合ってもよくないし、それも僕たちらしくていいかなと」
「自分にがっかり」Jリーグで噛み締める悔しさ
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別々の道を歩き始めた夏になったが、両者ともに順調だったわけではない。むしろ、難局が続く日々だった。
高井はプレシーズン中に負傷し、治療に専念する期間を過ごした。すでに練習には復帰しているとも伝えられているが、プレミアリーグでデビューする日は、もう少し先になりそうだ。
大関は、8月の名古屋グランパス戦で約3カ月ぶりにスタメン出場を果たした。
4対3という壮絶な撃ち合いとなったゲームは、アディショナルタイムに伊藤達哉の決めた決勝弾で川崎が劇的な勝利をおさめている。だが試合後の大関は、豊田スタジアムのミックスゾーンをいつになく険しい表情で歩いていた。自らのパフォーマンスの低さに、悔しさを噛み締めていたのだ。
「ACLから帰ってきてからは、自分のプレーにすごく自信を持ってました。途中出場でも結果に絡むっていうのは自分の中でコンスタントにできていた印象もあった。その中でスタメンのチャンスが来たのに……って感情はありました。自分に少しがっかりした部分もあります。攻撃の部分もそうですし、判断のとこもそう。全ての基礎能力というか、まだレベルが足りなかったなって思っています」
この試合以降、大関はコンディション不良によりメンバー外が続いた。
復帰したルヴァンカップ準々決勝・浦和レッズとの第2戦では、途中交代で入ったものの延長終了間際に交代を告げられるという、サッカー人生で初めてとなる“イン・アウト”も経験した。

