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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「好物はシオラーメン!」阪神電車も乗りこなす助っ人右腕が語る“日本愛”…原点はアジアで暮らした幼少期「自分が白人か黒人という分類を知る前に…」
posted2025/09/24 11:08
「タイガース愛」を語ったデュプランティエ
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Number Web
シーズン終盤こそ離脱したものの、6月の月間MVPを獲得するなど優勝の原動力となったデュプランティエ。投球術以上に周囲を驚かせたのはその適応力だった。
藤川球児監督が「言葉、食事、チームメートとのコミュニケーションを含めて(中略)日本の文化になじもうとするところが一番、野球において結果につながっている」(6月19日デイリースポーツ電子版より)と評した通り、異国での生活を常に楽しみ、少しでも多くのことを学ぼうとしている。
原点はアジアで過ごした幼少期
原点にあるのは、幼少期に父・ジョンさんの仕事の都合で過ごしたアジアでの経験だという。最初はデュプランティエが5歳の頃、中東のUAE・ドバイで1年半ほどを過ごした。
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――その頃のことを覚えていますか?
デュプランティエ(以下愛称デュープ) 明確な記憶はあまりなくて、暑さとか匂い、味覚とか感覚的なものを所々覚えているくらいです。ただ、成長した後に両親にその頃の話を聞いて、当時の経験が自分にとっていかに大きなものだったかを実感しました。
――それはどんなこと?
デュープ まず、色々な違いがある人と出会えたことです。体の大きさや肌の色、髪の色……一人一人、違いがあって当たり前だという中で過ごすことができた。アメリカにいると肌の色で区分することが多くて、僕は「黒人」と分類されてしまいますが、あちらにいた時は単に「アメリカ人」だった。自分が白人か黒人かという分類を知る前にまずアメリカ人だという認識を得られていたことは、当時の年齢として非常に貴重だったと思います。

