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剛球始球式で「阪神・藤川球児監督もビックリ」“海上保安庁長官”61歳が語る驚きの高校球児時代「工藤公康さん相手にあと一歩まで…」

posted2025/09/25 11:03

 
剛球始球式で「阪神・藤川球児監督もビックリ」“海上保安庁長官”61歳が語る驚きの高校球児時代「工藤公康さん相手にあと一歩まで…」<Number Web> photograph by Japan Coast Guard

7月21日のプロ野球巨人対阪神戦の始球式で見事なフォームから速球を投げ込んだ瀬口良夫海上保安庁長官。高校時代の思い出と現在の職掌のつながりとは?(写真:海上保安庁提供)

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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Japan Coast Guard

7月21日、「海の日」にあわせて巨人-阪神戦で行われた海上保安庁・瀬口良夫長官の始球式は野球ファンを大いに驚かせた。61歳には見えない颯爽とした身のこなしと剛速球の舞台裏、そして高校野球にある指揮官の原点とは――。〈NumberWebインタビュー全2回の前編/後編を読む

 白い制服姿で颯爽とマウンドに駆け上がり、大きく振りかぶる。悠然とした投球フォームから放たれた糸を引くような球は、外角高めにズバリと決まった。

藤川監督を驚かせた見事な投球

 ベンチで見ていた阪神・藤川球児監督は驚きの表情を浮かべ、日本テレビ系の中継で解説を務めていた江川卓氏も「これは……(野球を)やられていましたね」と唸った。東京ドームの場内からはどよめきが起こり、SNS上では驚嘆のコメントが相次いだ。

 見事な投球を見せた61歳は、一体何モノなのか――。始球式から1カ月、スポーツメディアが日頃足を踏み入れることのない東京・霞ヶ関にある海上保安庁を訪ねると、スーツ姿の瀬口長官が出迎えてくれた。

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「いやいや、あんなのヘロヘロ球ですよ」

 かぶりを振るその笑顔は柔和ながら、きりりと伸びた背筋と鋭い眼光は日本の海を守る指揮官の威厳に満ちている。

「いい経験をさせていただきました。キャッチャーの甲斐(拓也)選手がどっしりと構えてくださって、ミットに吸い込まれるように球がいきましたね。甲斐選手のおかげです」

硬式球は高校時代以来だった

 聞けば、始球式に向けてみっちりとトレーニングをしたわけでもなく、庁舎の屋上で5回ほどキャッチボールをした程度だったという。海上保安大学校時代は準硬式野球部で投手を務めていたが、卒業後に野球を続けていたわけでもなく、硬式球を握ったのは高校時代以来、44年ぶりだと言うから驚きだ。ただし、61歳となった今も日頃からウォーキングや水泳などで体は動かしていると言う。

【次ページ】 刈谷高校でエースナンバーをつけていた高校球児時代

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