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「シーズン入ってカリカリになっちゃって…」走高跳・高橋渚(25歳)が語った今季不調の”まさかのワケ”…世界陸上での復活は「強気の自分を思い出せた」

posted2025/09/24 11:03

 
「シーズン入ってカリカリになっちゃって…」走高跳・高橋渚(25歳)が語った今季不調の”まさかのワケ”…世界陸上での復活は「強気の自分を思い出せた」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

今季は春先から不調に苦しんだ女子走高跳の高橋渚。満員の観客の後押しも受けて、世界陸上の大舞台で復活してみせた

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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Kiichi Matsumoto

 大きな盛り上がりを見せた東京世界陸上。注目を集めた選手のひとりが女子走高跳の高橋渚(センコー)だ。同種目で日本人12年ぶりの出場となった世界大会。あと一歩で決勝進出というところまでたどり着いた人気ジャンパーの軌跡とは。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》

 地元・東京での世界陸上に向け、順風満帆に歩を進めていた女子走高跳の高橋渚。その道に暗雲が立ち込め始めたのは、春シーズンに入ってからのことだった。

 5月に行われたセイコーゴールデングランプリでは1m85cmの跳躍に3度失敗し、1m80cmの記録に終わると、世界陸上に向けたポイント加算のために最も重要な位置づけとしていた同月のアジア選手権でも1m83cmに失敗。またも1m80cmの記録に終わる。

 不調は4連覇を狙った7月の日本選手権まで続き、ここでも1m84cmの記録で津田シェリアイ(築地銀だこ)に敗れ、連覇も途絶えた。

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 ここ数年、狙った大会では1m80cm台後半の高いレベルで安定した跳躍を見せていた高橋だけに、この連戦での不調は意外な結果でもあった。

春先からの不調…原因は?

 原因のひとつが、冬季練習でのフィジカルアップだ。肉体改造の影響で、助走と踏切のタイミングが合わなくなっていたという。

 走高跳という競技は、単純に身体能力の向上がそのまま記録に直結しない。フィジカルの成長を跳躍につなげられなければ、リズムが狂うことで記録を落とすことは珍しいことではない。

【次ページ】 微妙な「感覚のズレ」を生んだのは…?

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