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青学大はマラソン界の「スタートアップ企業」? 世界陸上“惨敗”で原晋監督は「チームとしてノウハウがある」老舗企業に脱帽も…期待したい旋風の再現
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/18 11:15
世界陸上の男子マラソンで34位に終わった吉田祐也。それでも青学大初のマラソン代表として、得難い経験値を手にした
Honda、三菱重工といった日本を代表する企業であり、陸上においても「老舗」の風格を持つチームに対し、「マラソン スタートアップ青学」は、今後、どのような手を打っていくのだろう。
国内レースに関しては、すでに対応力はついていると見て間違いない。
いま、興味深いのは原監督のもとで、吉田をはじめトラックでスピードを見せる鶴川正也など、大学を拠点にして練習をしている卒業生が徐々に増えていることだ。
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実業団の強化風景も変わりつつある。
東西に分かれて拠点を持つチームもあれば、企業に在籍はしているが、母校で練習を積む選手もいる。かつての集団主義から個人の活動へとシフトしている。だからこそ、青学をベースにする選手たちが登場する余地があるのだ。
「スタートアップ青学」はどんな進化を見せる?
今回、吉田が世界陸上を走ったことで、彼自身の経験値というだけではなく、OB、そして現役学生たちの共有財産になっていくと思われる。
2004年に原監督が青学大の監督に就任したのが、最初のスタートアップ。そして就任10年目の2015年に箱根駅伝初優勝、そして2025年に第2のスタートアップが始まった。
2年後の北京世界陸上、そして2028年のロサンゼルス・オリンピックまで、この新興勢力はどんな動きを見せるだろうか。

